TAOキナーゼの多面的機能と神経障害におけるそれらの調節不全

SCIENCE SIGNALING
2 Jan 2024 Vol 17, Issue 817
[DOI: 10.1126/scisignal.adg0876]

Sujin Byeon¹ and Smita Yadav^{2, *}

1. ¹ Graduate Program in Neuroscience, University of Washington, Seattle, WA 98195, USA.
2. ² Department of Pharmacology, University of Washington, Seattle, WA 98195, USA.

* Corresponding author. Email: smitay@uw.edu

要約

Thousand and one amino acid kinases（TAOKs）は、あまり十分に研究されていない、多面的に機能するプロテインキナーゼであるが、神経発達の重要な調節因子として知られるようになっている。TAOKsは、その保存されたアミノ末端触媒ドメインを介して、基質のセリン／スレオニン残基のリン酸化を媒介するが、複雑な機能特異化と細胞内局在の両方をもたらしているのは、その多様な調節性のカルボキシル末端ドメインである。本稿では、TAOKsの生理的役割と、それらが調節する精妙なシグナル伝達経路、分子間相互作用および細胞挙動を、細胞のストレス応答、分裂、運動から組織の恒常性、免疫、神経発達までにわたって論じる。それからこれらの洞察を、TAOKsの疾患関連バリアントの既知の影響と潜在的影響に関する分析に組み込み、神経発達障害、疼痛と嗜癖、神経変性疾患に焦点を当てる。この基礎を患者にとっての臨床的利益に変換するには、個々に特化したドメインによってもたらされるTAOKsのより高度な構造的および機能的区別が必要となる。