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研究用

遺伝子導入【概要】

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■ 遺伝子導入とは?

In vitro およびin vivo における遺伝子・タンパク質の機能や調節機構を研究する上で重要な手法が遺伝子導入法です。

遺伝子導入法には、(1)非ウイルスベクター系と、(2)ウイルスベクター系の2つに大きく分けられます。ウイルスベクター系には、レトロウイルスやレンチウイルス、アデノ随伴ウイルスベクターを用いた方法などが含まれ、非ウイルスベクター系には、リポフェクション法、エレクトロポレーション法、マイクロインジェクション法など物理化学的方法を用いた方法が含まれます。ターゲットを確実に細胞内へ導入するためには、ターゲットの特性にあったトランスフェクション法を見極める必要があります。

非ウイルスベクター系

◆リポフェクション法

エレクトロポレーション法やマイクロインジェクション法で用いるような高価な機械が必要なく、さらにウイルスベクターの ように人的被害の心配が少ないため、現在多くの研究室で最もよく用いられている方法といえます。
リポフェクション法の原理は、負の電荷を持つDNA の周りに正の電荷を持つ陽イオン性リポソームが結合し複合体を形成して、エンドサイトーシス現象により細胞表面から細胞内にDNA が取り込まれます。
この原理を利用したリポフェクション試薬は、導入したい核酸・タンパク質や細胞の性質によって、効率が大幅に変動しますので、試薬の特性を見極めることが重要です。

◆エレクトロポレーション法

エレクトロポレーション法は、専用の機械を用いて高電圧パルスを細胞に直接かけ、細胞表面空いた小さな孔から核酸を取り 込む方法です。一般的には、クローニングしたDNA を大腸菌コンピテントセルに導入する際に多く用いられていますが、浮遊細胞など、リポフェクション法では導入困難な動物細胞でも用いられています。

◆マイクロインジェクション法

この方法は、先端の直径が約1μm程度のガラス針に導入したい物質を入れ、直接細胞内に導入する方法です。物質の大きさ・性質に関わらず、確実に導入できます。ただし、高価な設備が必要なうえに、操作に慣れるのに時間を要する上、導入できる細胞の数に限度があるため、一般的な遺伝子導入には向いていません。

ウイルスベクター系

◆ウイルスベクターによる遺伝子導入

ウイルスが元々持っている細胞進入機構を利用して細胞内に遺伝子を導入する方法です。それぞれのウイルスベクターは、細胞表面に存在する独自の受容体を介して細胞に感染し、効率よく遺伝子を発現する機構を有しています。近年、その導入効率の高さや、遺伝子導入様式の特性の点から、遺伝子導入実験に盛んに用いられるようになりました。

一般に用いられているウイルスベクターに、(1)アデノ随伴ウイルス(AAV)、(2)アデノウイルス、(3)レトロウイルス、(4)レンチウイルスなどがあります。ウイルスベクターは、リポフェクションで導入した遺伝子に比べ、ウイルスによってばらつきはあるものの、発現期間が長いため、継続して遺伝子の発現を見たい実験等に適しています。

(1)アデノ随伴ウイルス(AAV)は、分裂/非分裂細胞の両方に感染することができ、人の宿主細胞で維持され、持続性のある遺伝子導入が可能です。アデノ随伴ウイルスは、アデノウイルスやレトロウイルスに比べ、宿主細胞への免疫反応が低いため、遺伝子導入実験用で注目を集めています。

(2)アデノウイルスは、許容可能な細胞の宿主範囲が広く、多くのタイプ(複製および非複製の両方)の哺乳動物性細胞に導入して組換えタンパク質を高発現させることができます。また、リポフェクションでの感染率の低いセルラインへの遺伝子導入やタンパク質の発現に特に有用です。さらに、アデノウイルスは細胞に感染後、染色体外に残るため、宿主の遺伝子を活性化/不活性化しません。最近では、細胞内へRNAi を運ぶツールとしても用いられています。

(3)レトロウイルスは、分化細胞のゲノムに遺伝子を導入するのに効果的なツールとして用いられています。また、哺乳動物性細胞内での外来性遺伝子の発現に加えて、近年in vitroin vivoの両方でターゲット遺伝子の発現を抑えるsiRNAの発現にも用いられています。

(4)レンチウイルスは、分裂細胞と非分裂細胞に感染し、目的の遺伝子を導入します(染色体内への組込み型)。水疱性口内炎ウイルス エンベロープG(VSV - G)タンパク質の偽型エンベロープによって宿主細胞の範囲が広く、神経細胞やリンパ球・マクロファージなどレトロウイルスベクターでは用いることのできなかった細胞で利用できます。また、レンチウイルスベクターは、毒性および免疫反応による干渉なくして、in vivo における脳・肝臓・筋肉・網膜に効果的に形質導入できることが報告されています。近年、レンチウイルスシステムは、多くのセルラインや初代培養細胞、in vitroin vivo の両方へ効果的にsiRNAを導入するのに用いられています。

■各ウイルスベクターの比較
  アデノ随伴ウイルス(AAV) アデノウイルス レトロウイルス レンチウイルス
遺伝子発現 一過性または安定性 一過性 安定性 一過性または安定性
分裂細胞への感染 Yes Yes Yes Yes
非分裂細胞への感染 Yes Yes No Yes
ターゲット細胞ゲノムへのインテグレート No* No Yes Yes
ターゲット細胞内の免疫応答 Very Low High Moderate Low
相対的なウイルスの力価 XXX XXXX XX XXX
相対的なトランスダクション効率 XXX XXXX XX XXX

*ネイティブ AAV は、インテグレートが起きますが、リコンビナント AAV ではほとんど起こりません。

■一般的なウイルス遺伝子デリバリーのワークフロー

一般的なウイルス遺伝子デリバリーのワークフロー

ウイルスデリバリー商品一覧

■ウイルスデリバリー関連商品一覧
ウイルスの種類 商品名 メーカー
Step 1:目的遺伝子のクローニングおよびウイルスのパッケージング
AAV AAV Helper Free 発現システム(プロモーターレス CBL
アデノウイルス   RAPAd® アデノウイルス発現システム CBL
アデノウイルス発現システム APB
レトロウイルス  遺伝子特異的リコンビナントレトロウイルスベクター CBL
Platinum レトロウイルス発現システム / パッケージングセルライン CBL
pMXs/pMYs/pMZs/pMCs レトロウイルスベクターシリーズ
CBL
レンチウイルス   ViraSafe™ レンチウイルス発現システム/ベクター CBL
プロモーター特異的レンチウイルス発現システム APB
レンチウイルスパッケージングシステム APB
Lenti-Pac™レンチウイルスパッケージングシステム GCP
Step 2:タイター測定
AAV QuickTiter™ アデノ随伴ウイルス定量キット CBL
アデノウイルス QuickTiter™ アデノウイルス力価測定キット CBL
QuickTiter™ アデノウイルス定量キット CBL
レトロウイルス QuickTiter™ レトロウイルス定量キット CBL
レンチウイルス QuickTiter™ レンチウイルス定量キット
ウイルス結合 p24 ELISAウイルスの核酸量を測定HIV p24/FIV p24ELISA
CBL
Lenti-Pac™ レンチウイルスqRT-PCR力価測定キット GCP
レンチウイルス qPCR 力価測定キット APB
Step 3:濃縮および精製
AAV ViraBind™ AAV2 精製キット CBL
アデノウイルス  ViraBind™ アデノウイルス精製キット CBL
Add-N-Pure™ アデノウイルス精製キット APB
レンチウイルス  Lenti-Pac™ レンチウイルス濃縮液 GCP
レンチウイルス精製キット Speedy Purifi cation APB
Ultra-Pure レンチウイルス精製キット APB
PuRetro™ レンチウイルス&レトロウイルス精製キット APB
Step 4:ターゲット細胞への感染
AAV ViraDuctin™ AAV 遺伝子導入キット CBL
アデノウイルス ViraDuctin™ アデノウイルス 遺伝子導入キット CBL
レトロウイルス ViraDuctin™ レトロウイルス 遺伝子導入キット CBL
レンチウイルス ViraDuctin™ レンチウイルス遺伝子導入キット CBL

CRISPR-Cas9システム注目商品

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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