終末糖化産物(AGEs)とは
糖類は、生命活動において不可欠な栄養素ですが、一方で生体内のタンパク質のリジンやアルギニン残基を修飾し架橋形成することでタンパク質の立体構造が変化し、活性や物性に大きく影響を及ぼすことが知られています。この反応は糖化反応(Glycation)もしくはメイラード反応と呼ばれ、アマドリ転移物が生成する前期反応と、酸化、脱水、縮合などの反応を経て終末糖化産物(advanced glycation end-products: AGEs)に至る後期反応に分けられます。終末糖化産物(AGE)構造には、Nε-カルボキシメチルリジン(CML)、Nω-カルボキシルメチルアルギニン(CMA)などがあります。
近年、AGEs は生体内においてグルコースだけではなく、グルコースの代謝中間体や分解物、メイラード反応中間体などからも生成することが報告され、生体内で生成されるAGEsの中でも、特に糖代謝中間体に由来するグリセルアルデヒド由来のAGEsが疾患(糖尿病性合併症、動脈硬化、骨粗しょう症、後縦靭帯骨化症、筋委縮、関節リウマチ、加齢黄斑変性、非アルコール性脂肪肝炎、インスリン抵抗性、歯周病、アルツハイマー病、神経変性疾患、皮膚疾患、皮膚老化など)の発症や進展に強く関わっていることが報告されています。
コスモ・バイオの糖化関連研究シリーズ
無細胞及び無酵素的に糖化反応を追うことができる抗糖化アッセイキットを販売しています。キットは全て96ウェルプレートを用います。糖化反応を阻害する物質のスクリーニングや機能性食品及び化粧品開発における抗糖化素材開発にご利用ください。
糖化関連研究シリーズ
キット |
測定方法 |
用途 |
コラーゲン抗糖化アッセイキット グルコース/フルクトース (品番: AK70) |
コラーゲンゲルにグルコースもしくはフルクトースを添加した時に起こる糖化反応を蛍光でモニタリングする。 アッセイ期間は10日〜4週間。 |
抗糖化物質のスクリーニング、機能性食品および化粧品開発における抗糖化素材開発 |
コラーゲン抗糖化アッセイキット グリセルアルデヒド (品番: AK71) |
コラーゲンゲルにグリセルアルデヒドを添加した時に起こる糖化反応を蛍光でモニタリングする。 アッセイ期間は2日。 |
軟骨II型コラーゲン抗糖化アッセイキット グリセルアルデヒド (品番: AK72) |
軟骨II型コラーゲンゲルにグリセルアルデヒドを添加した時に起こる糖化反応を蛍光でモニタリングする。 |
アルブミン抗糖化アッセイキット グリセルアルデヒド (品番: AAS-AGE-K01) |
BSA(アルブミン)溶液にグリセルアルデヒドを添加した時に起こる糖化反応を蛍光でモニタリングする。 アッセイ期間は1日。 |
エラスチン抗糖化アッセイキット グリセルアルデヒド (品番: AAS-AGE-K05) |
エラスチン溶液にグリセルアルデヒドを添加した時に起こる糖化反応を蛍光でモニタリングする。 アッセイ期間は1日。 |
抗糖化物質のスクリーニング、生活習慣病および老化予防研究や血管や靭帯などに焦点をあてた機能性素材開発 |
コラーゲンAGEs抗糖化アッセイキット CML特異的 (品番: AAS-AGE-K02) |
96well Plate に固相化されたコラーゲンにグリオキサールを添加した時に起こる糖化反応を CML 特異的抗体で検出(ELISA法) |
CMLまたはCMAの 生成阻害物質のスクリーニング、機能性食品および化粧品開発における抗糖化素材開発 |
コラーゲンAGEs抗糖化アッセイキット CMA特異的 (品番: AAS-AGE-K03) |
96well Plate に固相化されたコラーゲンにグリオキサールを添加した時に起こる糖化反応を CMA 特異的抗体で検出(ELISA法) |
RAGE反応性AGEs生成阻害アッセイキット (品番: AAS-AGE-K04) |
96well Plate に固相化されたアルブミンをグリセルアルデヒドで糖化反応させたときに生じるAGEs(Glyceraldehyde-AGEs)をリコンビナント RAGE-Fc を用いて検出 |
Glyceraldehyde-AGEs 生成阻害物質のスクリーニング、機能性食品および化粧品開発における抗糖化素材開発 |