発生
死に導かれ

Development
Guided by the Dying

Editor's Choice

Sci. Signal., 14 January 2014
Vol. 7, Issue 308, p. ec8
[DOI: 10.1126/scisignal.2005064]

Annalisa M. VanHook

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

F. Chen, M. A. Krasnow, Progenitor outgrowth from the niche in Drosophila trachea is guided by FGF from decaying branches. Science 343, 186–189 (2014). [Abstract] [Full Text]

ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)などの完全変態昆虫の幼虫組織は、変態の間に分解され、幹細胞の増殖と分化によって形成される成虫組織に置き換えられる。ChenおよびKrasnowは、蛹におけるショウジョウバエ(Drosophila)成虫気管系の成虫気管前駆細胞からの増殖は、胚において気管の発達を導く増殖因子シグナル伝達と、同じシグナル伝達に依存していることを実証した。胚形成中に発生する成虫気管前駆細胞は、そのニッチから既存の幼虫気管枝に沿って遊走し、蛹の腹部気管系の後方部分を形成する。このようなステレオタイプの遊走は、幼虫の気管細胞におけるbranchlessbnl)の発現と、遊走中の前駆細胞におけるbreathlessbtl)の発現を必要とした。Bnlは、FGF受容体Btlに結合する線維芽細胞増殖因子(FGF)である。幼虫の気管におけるbnlの発現は時間的および空間的に動的であり、bnlの発現は、前駆細胞の遊走経路に沿って認められた。幼虫気管細胞のbnlをノックダウンする、または気管前駆細胞でドミナントネガティブ型Btlを発現させることで、遊走が阻止され、新たな気管の形成が抑制または消失した。幼虫気管におけるbnlの異所性発現は、遊走中の気管前駆細胞を発現源に向けて再配向させ、気管前駆細胞におけるbnlの異所性発現の誘導は、それ自身の遊走を停止させた。この系は、胚形成において幼虫気管系の発生を指令する系を再現している。胚における気管の成長は、気管周囲の細胞で産生されるBnlにより促されるが、蛹における気管の成長は、当初は胚のBnlにより自身で誘導された、崩壊中の気管系により産生される。このような発生プログラムを再配置することで、破壊される運命にある組織を、その置換組織の形成に向けさせることができる。

A. M. VanHook, Guided by the Dying. Sci. Signal. 7, ec8 (2014).

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2014年1月14日号

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