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細胞生物学
YAPはマイクロRNAプロセシングを阻害する

Cell Biology
YAP Inhibits MicroRNA Processing

Editor's Choice

Sci. Signal., 11 March 2014
Vol. 7, Issue 316, p. ec68
[DOI: 10.1126/scisignal.2005248]

Jason D. Berndt

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

M. Mori, R. Triboulet, M. Mohseni, K. Schlegelmilch, K. Shrestha, F. D. Camargo, R. I. Gregory, Hippo signaling regulates Microprocessor and links cell-density-dependent miRNA biogenesis to cancer. Cell 156, 893–906 (2014). [PubMed]

長鎖の一次マイクロRNA(pri-miRNA)がマイクロプロセッサ(DROSHAとしても知られる)およびDicerタンパク質複合体によって順次切断されると、約22塩基対のmiRNAが生成し、これがメッセンジャーRNAに結合してその安定性を調節する。いくつかのがんにおいては、miRNAの存在量が減少している。一部の腫瘍では、高細胞密度に関連する現象である細胞接触阻害の消失が認められ、多くのmiRNAの存在量は高細胞密度によって増加する。細胞接触阻害によって、腫瘍抑制性のHippo経路の活性化が低下し、転写コアクチベーターであるYes関連タンパク質1(YAP)の細胞質滞留が促進される。Moriらは、YAPが、細胞密度依存性のpri-miRNAからmiRNAへの変換を担うことを見出した。非形質転換細胞を高密度で培養すると、マイクロプロセッサ複合体の活性が上昇し、この効果は、YAPの細胞質滞留を促進するタンパク質の阻害またはYAPの過剰発現によって打ち消された。低密度で増殖させた細胞においては、YAPが、マイクロプロセッサ複合体の一成分であるp72と免疫共沈降した。低密度細胞または核標的YAPを過剰発現する細胞においては、YAPの結合によって、p72がマイクロプロセッサ複合体の他の構成成分から隔離された。網羅的miRNAプロファイリングにより、核内YAPはmiRNAの61%を抑制し、その49%は、p72ノックダウンと低密度細胞培養によっても抑制されることが明らかになった。後者のグループには、がん遺伝子MYCのRNAを標的とするlet-7miR-34aが含まれた。低密度での細胞培養によって、あるいは、核内YAPまたは転写を活性化させる能力をもたない型のYAPの過剰発現によって、MYC分解のルシフェラーゼ系レポーターが活性化された。扁平上皮がんおよび肝臓がんのHippo-YAPに基づくマウスモデルの悪性細胞においては、いくつかのmiRNAの存在量が減少し、pri-miRNAの存在量が増加した。したがって、低密度状態にある細胞と腫瘍細胞においては、YAPが転写非依存性の機構によりmiRNA生合成を阻害し、それによって発がんの進行に寄与している可能性がある。

J. D. Berndt, YAP Inhibits MicroRNA Processing. Sci. Signal. 7, ec68 (2014).

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2014年3月11日号

Editor's Choice

細胞生物学
YAPはマイクロRNAプロセシングを阻害する

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