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MeCP2はmiR-124に仲介されるSOCS5の抑制を促進することによってSTAT3シグナル伝達とエフェクターCD4+ T細胞の生成を強化する

MeCP2 Reinforces STAT3 Signaling and the Generation of Effector CD4+ T Cells by Promoting miR-124–Mediated Suppression of SOCS5

Research Article

Sci. Signal., 11 March 2014
Vol. 7, Issue 316, p. ra25
[DOI: 10.1126/scisignal.2004824]

Shan Jiang1*, Chaoran Li1*, Gabrielle McRae1, Erik Lykken1, Jose Sevilla1, Si-Qi Liu1, Ying Wan2†, and Qi-Jing Li1†

1 Department of Immunology, Duke University Medical Center, Durham, NC 27710, USA.
2 Center for Quantitative Biomedicine, Third Military Medical University, Chongqing 400038, China.

* These authors contributed equally to this work.

† Corresponding author. E-mail: Qi-Jing.Li@Duke.edu (Q.-J.L.); wanying.cn@gmail.com (Y.W.)

要約

メチル化CpG結合タンパク質2(MeCP2)は、神経障害であるレット症候群に関与していることでもっともよく知られるX連鎖性、多機能性のエピジェネティック制御因子であるが、複数の自己免疫障害にも関連している。われわれは、抗原刺激に対するCD4+ T細胞の応答を調節するうえでMeCP2が果たすと考えられる役割を調べた。MeCP2は、in vitroおよびin vivoにおいて、ナイーブCD4+ T細胞の1型ヘルパーT細胞(TH1)およびTH17細胞への分化と、TH1またはTH17に仲介される病理に不可欠であった。CD4+ T細胞中のMeCP2を欠失させると、マイクロRNA(miR)であるmiR-124の発現が損なわれ、結果的に、miR-124によって仲介されるサイトカインシグナル抑制因子5遺伝子(Socs5)mRNAの翻訳抑制が軽減された。結果的に生じるSOCS5の蓄積によって、それぞれTH1とTH17細胞の分化に必要であるシグナル伝達性転写因子1(STAT1)とSTAT3のサイトカイン依存性の活性化が阻害された。また、MeCP2のサイレンシングを行うと、初代培養ニューロンとアストロサイトも、神経栄養因子によって刺激されたSTAT3依存性シグナル伝達に対して適切に応答できなかった。まとめると、今回の知見は、STAT3シグナル伝達の調節が神経系と免疫系の両方におけるMeCP2の役割を基礎とする共通の病因となっているかもしれないことを示唆している。

S. Jiang, C. Li, G. McRae, E. Lykken, J. Sevilla, S.-Q. Liu, Y. Wan, Q.-J. Li, MeCP2 Reinforces STAT3 Signaling and the Generation of Effector CD4+ T Cells by Promoting miR-124–Mediated Suppression of SOCS5. Sci. Signal. 7, ra25 (2014).

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