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哺乳類の発生中のニューロンでは、プレキシン-A4の異なる細胞質ドメインがセマフォリン3Aに対する多様な応答を媒介している

Distinct Cytoplasmic Domains in Plexin-A4 Mediate Diverse Responses to Semaphorin 3A in Developing Mammalian Neurons

Research Article

Sci. Signal., 11 March 2014
Vol. 7, Issue 316, p. ra24
[DOI: 10.1126/scisignal.2004734]

Guy Mlechkovich1*, Sheng-Shiang Peng2*, Vered Shacham1, Edward Martinez2, Irena Gokhman1, Adi Minis1, Tracy S. Tran2†, and Avraham Yaron1†

1 Department of Biological Chemistry, Weizmann Institute of Science, Rehovot 76100, Israel.
2 Department of Biological Sciences, Rutgers University, 195 University Avenue, Newark, NJ 07102, USA.

* These authors contributed equally to this work.

† Corresponding author. E-mail: avraham.yaron@weizmann.ac.il (A.Y.); tstran@rutgers.edu (T.S.T.)

要約

ガイダンス受容体のシグナル伝達は神経回路の形成に不可欠であり、特定のニューロンで多様な細胞イベントを誘発している。われわれは、ガイダンス因子セマフォリン3Aからのシグナル伝達が、その受容体プレキシン-A4中の異なる細胞質ドメインを介して枝分かれし、多様な神経細胞種において異なる細胞挙動を促進していることを見いだした。プレキシン-A4は、C1、Hinge/RBDおよびC2という3つの主要な細胞質ドメインをもち、Rhoグアニンヌクレオチド交換因子FARPタンパク質のファミリーメンバーと相互作用する。われわれは、Hinge/RBDまたはC2ドメインのいずれかをもつプレキシン-A4で再構成された、後根神経節のプレキシン-A4欠損感覚ニューロンでは、成長円錐の虚脱が生じ、一方で皮質ニューロンにおける樹状突起の分岐には、Hinge/RBDとCドメインの両方が不可欠であることを明らかにした。ノックダウン試験からは、これら虚脱と分岐の両方の応答にFARP2が関わることが示唆されたが、FARP2との相互作用を低下させたプレキシン-A4の細胞質領域における突然変異は、セマフォリン3A誘発性の樹状突起の分岐を強く阻害するが、成長円錐の虚脱は阻害しなかった。このことは、この2つの応答のためには異なる程度の相互作用が必要であるか、または、発生中の軸索がFARP2の活性化に間接的な経路をもっていることを示唆している。このようにわれわれの研究は、ガイダンス受容体の多機能性に関して洞察を与えるものであり、特に、セマフォリン3Aのシグナルは、プレキシン-A4のモジュラードメインの特異的機能を介して枝分かれすることを明らかにした。

G. Mlechkovich, S.-S. Peng, V. Shacham, E. Martinez, I. Gokhman, A. Minis, T. S. Tran, A. Yaron, Distinct Cytoplasmic Domains in Plexin-A4 Mediate Diverse Responses to Semaphorin 3A in Developing Mammalian Neurons. Sci. Signal. 7, ra24 (2014).

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