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炎症
PAMPではなくDAMPを遮断する

Inflammation
Blocking DAMPs but not PAMPs

Editor's Choice

Sci. Signal., 20 January 2015
Vol. 8, Issue 360, p. ec13
DOI: 10.1126/scisignal.aaa6950

John F. Foley

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

H. Yang, H. Wang, Z. Ju, A. A. Ragab, P. Lundbäck, W. Long, S. I. Valdes-Ferrer, M. He, J. P. Pribis, J. Li, B. Lu, D. Gero, C. Szabo, D. J. Antoine, H. E. Harris, D. T. Golenbock, J. Meng, J. Roth, S. S. Chavan, U. Andersson, T. R. Billiar, K. J. Tracey, Y. Al-Abed, MD-2 is required for disulfide HMGB1–dependent TLR4 signaling. J. Exp. Med. 212, 5–14 (2015). [Abstract] [Full Text]

要約  マクロファージのような自然免疫細胞は、Toll様受容体4(TLR4)リガンドである微生物リポ多糖(LPS)などの病原体関連分子パターン(PAMP)による受容体の刺激に応答して炎症性サイトカインを分泌する。炎症はまた、活性化免疫細胞によって分泌され、損傷細胞により受動的に放出される核タンパク質HMGB1などの損傷関連分子パターン(DAMP)によっても促進される。LPSは、TLR4に結合する前に、アダプタータンパク質MD-2を含む複合体に結合する。細胞外HMGB1もまた、TLR4複合体を刺激する。しかしながら、HMGB1は、複数の酸化還元状態で存在し、HMGB1のジスルフィド型のみが炎症を引き起こす。Yangらは、HMGB1のジスルフィド型のみがin vitroにおいて高い親和性でMD-2に結合し、マウスマクロファージが、炎症性サイトカイン腫瘍壊死因子(TNF)を分泌するのを促進することを発見した。これらの効果は、HMGB1のCys106の化学修飾によって消失した。マウスあるいはヒト自然免疫細胞におけるMD-2のノックダウンは、ジスルフィドHMGB1依存性のTNF産生を阻害した。HMGB1由来のペプチドライブラリーのスクリーニングにより、MD-2へのHMGB1の結合を阻害する四量体ペプチド(P5779)を発見した。P5779は、ヒトマクロファージからのHMGB1刺激性のTNF放出を用量依存的に阻害したが、LPS刺激性のサイトカイン産生は阻害しなかった。薬剤誘発性肝毒性、虚血再灌流傷害、あるいは敗血症に侵されたマウスへのP5779の投与は、炎症性サイトカイン産生の減少、疾患重症度の低下、生存の増加を導いた。まとめると、これらの結果は、HMGB1のジスルフィド型のみがMD-2に結合して炎症を刺激すること、この相互作用を治療標的とすることで、TLR4を介したPAMPシグナル伝達を温存しながら、DAMPによるシグナル伝達を特異的に遮断できること、を示唆している。

J. F. Foley, Blocking DAMPs but not PAMPs. Sci. Signal. 8, ec13 (2015).

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