• ホーム
  • PI3Kγの調節サブユニットは別々の好中球応答を制御する

PI3Kγの調節サブユニットは別々の好中球応答を制御する

The regulatory subunits of PI3Kγ control distinct neutrophil responses

Research Article

Sci. Signal., 20 January 2015
Vol. 8, Issue 360, p. ra8
DOI: 10.1126/scisignal.2005564

Arnaud Deladeriere, Laure Gambardella*, Dingxin Pan, Karen E. Anderson, Phillip T. Hawkins, and Len R. Stephens

Signalling Department, Babraham Institute, Babraham Research Campus, Cambridge CB22 4AT, UK.

† Corresponding author. E-mail: len.stephens@babraham.ac.uk

* Present address: The Anne McLaren Laboratory for Regenerative Medicine and Division of Cardiovascular Medicine, University of Cambridge, Addenbrooke's Hospital, Cambridge CB2 1QR, UK.

要約 炎症部位に移動し、活性酸素種(ROS)の産生により病原体を殺傷する好中球は、病原細菌や病原真菌に対する防御に重要であるが、不適切に調節されると、さまざまな慢性炎症性疾患を引き起こす。ホスホイノシチド3-キナーゼγ(PI3Kγ)は、好中球において、炎症促進性のGタンパク質(ヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質)共役受容体(GPCR)の下流で機能し、治療標的となる。好中球において、PI3Kγは、グアノシントリホスファターゼRasによって活性化されるp110γ触媒サブユニットと、p84またはp101のいずれかの調節サブユニットで構成される。p110γの喪失または阻害、あるいはRas非感受性バリアントp110γ(p110γDASAA/DASAA)の発現によって、GPCR活性化に応答したPIP3産生、Aktリン酸化、遊走、ROS形成が阻害される。p101サブユニットは、Gタンパク質βγサブユニットに結合して、このサブユニットによるPI3Kγ活性化を仲介する。p101−/−好中球においては、p110γ−/−好中球と類似した表現型が認められるが、例外としてROS応答は正常である。われわれは、p84−/−好中球においてはGPCR刺激によるPIP3およびAktシグナル伝達が低下することを見出したが、これはp101−/−好中球における低下と違いがない。しかし、p84−/−好中球では、GPCR刺激に応答したROS産生がより低下し、遊走が正常であった。これらのデータから、p84を含有するPI3Kγが、GPCR依存性のROS産生を制御することが示唆される。このように、PI3Kγ調節サブユニットは、PI3Kγが異なる好中球応答を仲介することを可能にしており、これは、空間的に異なるドメインをPIP3シグナル伝達の標的とすることによって起こると考えられる。

A. Deladeriere, L. Gambardella, D. Pan, K. E. Anderson, P. T. Hawkins, and L. R. Stephens, The regulatory subunits of PI3Kγ control distinct neutrophil responses. Sci. Signal. 8, ra8 (2015).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2015年1月20日号

Editors' Choice

炎症
PAMPではなくDAMPを遮断する

Research Article

ヘパリンはオーファン受容体チロシンキナーゼALKの活性化リガンドである

シナプトジャニン2は新薬の開発につながる転移のメディエーターであり、その遺伝子は乳がんにおいて過剰発現され増幅されている

PI3Kγの調節サブユニットは別々の好中球応答を制御する

最新のResearch Article記事

2026年02月03日号

潰瘍性大腸炎におけるサイトカインネットワークを解読して発症機構と治療標的を特定する

2026年02月03日号

胎児栄養膜細胞マーカーHLA-Gは受容体KIR2DL4を介して一次NK細胞におけるI型インターフェロン応答を活性化する

2026年01月27日号

EGFRの活性化が三叉神経のNMDA受容体の感受性を高め、口腔がんにおける疼痛とモルヒネ鎮痛耐性を促進している

2026年01月27日号

T細胞極性化とNFAT活性化は剛性に依存し、チャネルのPIEZO1とORAI1によって異なる調節を受ける

2026年01月20日号

細胞内のインポーチンβ1が欠乏するとシナプス前の局所翻訳と空間記憶が損なわれる