発生生物学
T管への侵入

Developmental Biology
Invasion of the T tubules

Editor's Choice

Sci. Signal., 3 February 2015
Vol. 8, Issue 362, p. ec23
DOI: 10.1126/scisignal.aaa8147

Nancy R. Gough

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

S. J. Peterson, M. A. Krasnow, Subcellular trafficking of FGF controls tracheal invasion of Drosophila flight muscle. Cell 160, 313–323 (2015). [PubMed]

要約  飛ぶために、昆虫の飛翔筋は膨大な量の酸素を必要とする。PetersonとKrasnowは、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)が幼虫から成虫に変態するときに、気管枝が、T管とつながる飛翔筋の表面の開口部から侵入した後、T管ネットワーク内に広がることを示した。このような表面の開口部がない、胸筋や腹筋などの筋肉では、気管枝の侵入がなく、代わりに、筋表面に沿って気管枝があるのみであった。気管の分岐と発生は、Branchless[Bnl、哺乳類線維芽細胞増殖因子(FGF)のホモログ]とBreathless(Btl、FGF受容体のホモログ)によって制御される。これらの遺伝子のいずれかまたは両方の変異のヘテロ接合体である動物では、飛翔筋内の気管枝が少なかった。蛹の発生期に飛翔筋のBnlまたは気管のBtlをノックダウンすると、飛翔筋への気管の侵入が消失した。飛翔筋にBnlが過剰発現すると、表面にある気管枝の数が増加し、T管への気管枝の侵入が減少したことから、気管枝をT管内に引き寄せる局所化した供給源が存在する可能性が示唆された。in situ免疫蛍光分析によるT管膜の分子特性解析から、これらの膜は、上皮細胞の側底膜と中隔結合に類似していることが示された。上皮細胞からの側底分泌に関与するクラスリンアダプター分子AP-1γを筋特異的にノックダウンすると、T管への気管枝の侵入が消失し、表面の枝が増加した。したがって、FGFホモログBnlの標的分泌が、発生中の筋肉に関連する気管にT管ネットワークへの侵入を指示すると考えられる。

N. R. Gough, Invasion of the T tubules. Sci. Signal. 8, ec23 (2015).

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2015年2月3日号

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