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活性型Raf誘発性心肥大はYorkieを介した転写に依存する

Cardiac hypertrophy induced by active Raf depends on Yorkie-mediated transcription

Research Article

Sci. Signal., 3 February 2015
Vol. 8, Issue 362, p. ra13
DOI: 10.1126/scisignal.2005719

Lin Yu, Joseph P. Daniels, Huihui Wu, and Matthew J. Wolf*

Department of Medicine, Duke University Medical Center, Durham, NC 27710, USA.

*Corresponding author. E-mail: matthew.j.wolf@dm.duke.edu

要約 臓器肥大は個々の細胞の肥大または細胞増殖により、もしくはその両方により生じる可能性がある。ヒトではセリン-トレオニンキナーゼRafの活性化突然変異が心肥大を引き起こし、Noonan症候群に寄与する。キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)では活性化Rafの心臓特異的な発現も肥大を引き起こす。われわれは、臓器サイズを制御しているHippo経路の転写コアクチベーターであるYorkie(Yki)が、ハエのRaf誘発性心肥大に必要であることを見いだした。マウスにおけるYkiオルソログの異常活性化は心筋過形成を刺激するが、ショウジョウバエにおけるYkiの活性化変異体の心臓特異的な発現は、過形成を伴わない心肥大を引き起こした。Ykiのノックダウンは心筋細胞の喪失を伴わない心拡大を引き起こし、Raf誘発性の心肥大を抑制した。ハエにおけるYki誘発性心肥大はTEAドメイン含有転写因子Scallopedを必要とし、哺乳類細胞ではマウスRafL613V(Noonan症候群突然変異を有する活性型Raf)がYki誘発性Scallopedの活性を亢進した。さらに、ハエの心臓におけるTgi(Tonduドメイン含有Scalloped結合コリプレッサー)の過剰発現は、YkiまたはRaf誘発性心肥大を消失させた。このように、心臓ではRafとYkiのクロストークが生じ、これがRafを介した心肥大に影響している可能性がある。

L. Yu, J. P. Daniels, H. Wu, and M. J. Wolf, Cardiac hypertrophy induced by active Raf depends on Yorkie-mediated transcription. Sci. Signal. 8, ra13 (2015).

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