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免疫学
NLRP3:インフラマソームから核まで

IMMUNOLOGY
NLRP3: From inflammasome to nucleus

Editor's Choice

Sci. Signal. 04 Aug 2015:
Vol. 8, Issue 388, pp. ec211
DOI: 10.1126/scisignal.aad1392

John F. Foley

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

M. Bruchard, C. Rebé, V. Derangère, D. Togbé, B. Ryffel, R. Boidot, E. Humblin, A. Hamman, F. Chalmin, H. Berger, A. Chevriaux, E. Limagne, L. Apetoh, F. Végran, F. Ghiringhelli, The receptor NLRP3 is a transcriptional regulator of TH2 differentiation. Nat. Immunol. 16, 859–870 (2015). [PubMed]

J. P. Y. Ting, J. A. Harton, NLRP3 moonlights in TH2 polarization. Nat. Immunol. 16, 794–796 (2015). [PubMed]

マクロファージなどの自然免疫細胞では、サイトゾル受容体NLRP3が内因性の損傷関連分子パターンと病原体関連分子を感知して炎症応答を刺激する。リガンド結合時に、NLRP3はアダプタータンパク質ASCおよびプロテアーゼであるカスパーゼ1と複合体を形成してカスパーゼ1を活性化させ、炎症性サイトカインであるインターロイキン1β(IL-1β)およびIL-18の前駆体をプロセシングする。Bruchardらは、T細胞受容体を通じて刺激されたときにナイーブ(未感作)マウスCD4+ T細胞ではNlrp3 mRNAの量が増加することを示した。免疫蛍光分析では、in vitroで分化させるとヘルパーT1(TH1)細胞になるナイーブCD4+ T細胞ではNLRP3は細胞基質中に存在するが、分化したTH2細胞ではNLRP3は核内に局在化することが示された。野生型TH2細胞と比べて、Nlrp3–/– TH2細胞で生成されるIL-4および他のTH2型サイトカインの量はより少なかったが、ASCまたはカスパーゼ1のいずれかを欠失したマウスに由来するTH2細胞では、分化もサイトカイン産生も正常であった。クロマチン免疫沈降とハイスループット配列決定の組み合わせ(ChIP-seq)によるTH2細胞の分析では、NLRP3が、プロモーター領域やエンハンサー領域など、DNAに結合することが示された。NLRP3がIl4プロモーターに結合するには、転写因子のインターフェロン調節因子4(IRF4)が必要であり、免疫共沈降研究では、NLRP3がIRF4に結合することが示された。Il4プロモーターを用いたルシフェラーゼレポーターアッセイでは、Il4の最適な発現にはNLRP3とIRF4の両方が必要であることが示された。TH2細胞が疾患を増悪させると考えられている2つのマウスモデル(アレルギー性喘息、B16F10メラノーマ腫瘍形成)では、Nlrp3–/–マウス由来のTH2細胞によって産生されるIL-4の量は野生型マウス由来のTH2細胞によって産生される量よりも少なく、ノックアウトマウスでは疾患の進行がより少なかったことから、NLRP3-IRF4相互作用を標的にすれば治療上の利益が得られるかもしれないことが示唆される。TingとHartonが解説で考察しているとおり、今回の結果は、適応免疫系の細胞においてインフラマソームタンパク質が転写調節的役割をもつことを示唆しており、他のNLRについても自然免疫細胞以外で機能を有する可能性が高まる。

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