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免疫学
感染時にSTINGを取り出す

IMMUNOLOGY
Taking the STING out of infection

Editor's Choice

Sci. Signal. 18 Aug 2015:
Vol. 8, Issue 390, pp. ec229
DOI: 10.1126/scisignal.aad2482

Nancy R. Gough

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

N. Dobbs, N. Burnaevskiy, D. Chen, V. K. Gonugunta, N. M. Alto, N. Yan, STING activation by translocation from the ER is associated with infection and autoinflammatory disease. Cell Host Microbe 18, 157–168 (2015). [PubMed]

B. Hiller, V. Hornung, STING signaling the enERGIC way. Cell Host Microbe 18, 137–139 (2015). [PubMed]

細胞は感染に応答して、病原体関連分子パターン(PAMP)を感知するタンパク質や、そのようなPAMPの検出に応じて宿主から産生される環状ジヌクレオチドcGAMPなどの分子が関係する、自然免疫応答を活性化させる。STINGは非感染細胞の小胞体(ER)表面に会合しているPAMPセンサーであり、ウイルスやShigellaなどの細菌に感染した細胞ではゴルジ体を通じてオートファゴソームに輸送され、最終的にそこで分解される。Shigellaは、ERからゴルジ体への輸送を阻害するIpaJ、ならびにゴルジ体を介した輸送を阻害するVirAを注入する。Dobbsらは、これら2種類のタンパク質のいずれかを欠損したShigella株、またはこれらのタンパク質のいずれかを産生するListeria株を遺伝子工学的に作製し、これらの細菌がマウス胚性線維芽細胞(MEF)に感染したときのSTINGの輸送、ならびにSTINGの活性化に伴って生じる下流のシグナル伝達イベントを検討した。野生型ShigellaまたはShigella ΔvirAを感染させた細胞に比べ、Shigella ΔipaJを感染させた細胞は、STING依存性のインターフェロンbInfb)の発現量が増加していた。また、IpaJを発現しているListeriaを感染させたとき、ゴルジ体の構造が損なわれ、Infbの発現が低下していた。ERの輸送を障害しない、IpaJの触媒的に不活性な変異体である遺伝子組換えIpaJ、若しくはVirAを注入したSting–/–MEF細胞において、STINGと緑色蛍光タンパク質(GFP)の組換え融合タンパク質の輸送を解析したところ、IpaJは、IpaJの触媒活性に依存してER中にSTING-GFPをトラップし、さらにVirAは、ERとゴルジ体の間のコンパートメントであるERGICにSTING-GFPをトラップしていた。STINGは下流のキナーゼTBK1を動員し、これを活性化する。野生型Shigellaを感染させたMEF細胞に比べ、Shigella ΔipaJを感染させたMEF細胞では、STING-GFPとTBK1の共局在化、ならびにTBK1のリン酸化と活性が増強していた。また、IpaJを発現しているListeriaを感染させたとき、野生型Listeriaを感染させたときに比べ、TBK1活性が低下していた。自己免疫疾患の患者に認められるものと相同の突然変異を有するマウスSTING-GFPを用いてSting–/–MEFを再構成したとき、これらの変異体は非感染条件下でERGICおよびゴルジ体に局在化していることが明らかにされた。また、(STINGを介した免疫応答を刺激するために)二本鎖DNAをトランスフェクションしたが、ゴルジ体からの突然変異体の輸送を促進することはできず、結果として変異型STINGタンパク質の安定性が向上した。これらの結果は、STING活性の調節メカニズムを明らかにしたのみならず、特定のSTING変異を有する患者における自己免疫疾患に対する分子基盤も提供している(HillerとHornung参照)。

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2015年8月18日号

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免疫学
感染時にSTINGを取り出す

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