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間質細胞由来因子2はHsp90依存性eNOS活性化に非常に重要である

Stromal cell–derived factor 2 is critical for Hsp90-dependent eNOS activation

Research Article

Sci. Signal. 18 Aug 2015:
Vol. 8, Issue 390, pp. ra81
DOI: 10.1126/scisignal.aaa2819

Mauro Siragusa,1 Florian Fröhlich,2 Eon Joo Park,1 Michael Schleicher,1 Tobias C. Walther,2 William C. Sessa1*

1 Vascular Biology and Therapeutics Program, Department of Pharmacology, Yale University School of Medicine, 10 Amistad Street, New Haven, CT 06520, USA.
2 Department of Genetics and Complex Diseases, Harvard School of Public Health, 677 Huntington Avenue, Boston, MA 02115, USA.

* Corresponding author. E-mail: william.sessa@yale.edu

要約 内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)は、L-アルギニンと酸素分子がL-シトルリンと一酸化窒素(NO)に変換されるのを触媒する。NOは、心血管の生理および疾患に影響を与える気体性セカンドメッセンジャーである。SerおよびThr残基におけるリン酸化やタンパク質間相互作用を含むいくつかの機構がeNOSの活性および機能を制御している。タンデム・アフィニティー精製法と質量分析を組み合わせ、われわれは、間質細胞由来因子2(SDF2)を内皮細胞におけるeNOSマクロ分子複合体の構成要素として同定した。SDF2のノックダウンにより、アゴニスト刺激性のNO合成が障害され、eNOSが最大限に活性化するために必要な鍵となるイベントであるSer1177におけるeNOSのリン酸化が減少した。反対に、SDF2過剰発現は、Aktおよびカルシウムが関与する機構(イオノマイシンで誘導される)を通してNO合成を量依存的に増加させ、これはeNOSにおけるSer1177のリン酸化を増加させた。iNOS(誘導型NOS)およびnNOS(神経型NOS)によるNO合成もSDF2過剰発現で亢進された。われわれは、SDF2がシャペロンタンパク質Hsp90のクライアントタンパク質であり、eNOSと結合するドメインと同一であるHsp90のMドメインと優先的に相互作用することを見出した。血管内皮増殖因子(VEGF)に曝露した内皮細胞では、Hsp90とカルモジュリンのeNOSへの結合にSDF2が必要とされ、その結果eNOSのリン酸化および活性化がもたらされた。したがって、われわれのデータから、内皮細胞におけるシグナル伝達に非常に重要なHsp90-eNOS複合体の構成要素としてのSDF2の機能が詳述される。

Citation: M. Siragusa, F. Fröhlich, E. J. Park, M. Schleicher, T. C. Walther, W. C. Sessa, Stromal cell-derived factor 2 is critical for Hsp90-dependent eNOS activation. Sci. Signal. 8, ra81 (2015).

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