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神経科学
ガイダンス受容体を切断から保護する

NEUROSCIENCE
Protecting a guidance receptor from cleavage

Editor's Choice

Sci. Signal. 15 Dec 2015:
Vol. 8, Issue 407, pp. ec368
DOI: 10.1126/scisignal.aae0556

Annalisa M. VanHook 

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

S. van Erp, D. M.A. van den Heuvel, Y. Fujita, R. A. Robinson, A. J. C. G. M. Hellemons, Y. Adolfs, E. Y. Van Battum, A. M. Blokhuis, M. Kuijpers, J. A. A. Demmers, H. Hedman, C. C. Hoogenraad, C. Siebold, T. Yamashita, R. J. Pasterkamp, Lrig2 negatively regulates ectodomain shedding of axon guidance receptors by ADAM proteases. Dev. Cell 35, 537–552 (2015). [Online Journal]

指示的ガイダンスキューは伸長しているニューロンを誘引または反発し、その伸長の投射経路を形成する。反発性の軸索ガイダンスキューであるRGMaとその受容体ネオゲニンとの結合は、グアノシントリホスファターゼRhoAの細胞内活性化および成長円錐の崩壊を誘発する。膜結合メタロプロテアーゼADAM17(別名TACE)は膜近傍のネオゲニンを切断し、それにより外部ドメインを放出してニューロンをRGMaに対して脱感作させる。van Erpらは、膜貫通タンパク質Lrig2(ロイシンリッチリピート・免疫グロブリン様ドメイン2)がマウス脳抽出物からのネオゲニンと共免疫沈降し、この両方のタンパク質は分離した皮質ニューロンのサブセットの成長円錐に存在することを報告した。細胞株およびin vitro細胞の種々の切断型Lrig2およびネオゲニンを用いた実験から、これらのタンパク質はその細胞外ドメインを介して相互作用することが示唆された。RGMaが存在するとネオゲニンとLrig2間の相互作用は低下した。野生型皮質ニューロンのRGMaへの曝露はRhoAの活性化および成長円錐の崩壊を引き起こしたが、Lrig2をRNA干渉によりノックダウンしたとき、RGMaはRhoAの活性化または成長円錐の崩壊を誘導しなかった。Lrig2のノックダウンは細胞表面のネオゲニン存在量も低下させたが、細胞を薬理学的メタロプロテアーゼ阻害剤で処理した場合は低下しなかった。メタロプロテアーゼ阻害剤の添加は、RGMa処理後に培地に放出されるネオゲニン量を減少させた。RGMa発現CHO細胞上で初代皮質ニューロンを培養したとき、神経突起の伸長が阻止されたが、ニューロンのLrig2をノックダウンしたときは阻止されなかった。この共培養系においてLrig2のノックダウンと併せ、メタロプロテアーゼを曝露またはADAM17をノックダウンさせたとき、神経突起の伸長が阻止された。マウス胚における皮質ニューロンの適切な遊走にはLrig2が必要であり、また、Lrig2のノックダウンは視神経損傷後の再生を改善させた。in vivo実験の結果は、Lrig2がネオゲニンおよびADAM17と協調的に軸索伸張を制御することと一致していた。このように、Lrig2はADAM17による切断からネオゲニンを保護し、ニューロンの反発性シグナルRGMaへの応答を可能にしている。

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2015年12月15日号

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ガイダンス受容体を切断から保護する

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