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抗うつ薬が転移性前立腺がんから骨を守る

Antidepressants protect bones from metastatic prostate cancer

Editor's Choice

Sci. Signal. 28 Mar 2017:
Vol. 10, Issue 472, eaan2866
DOI: 10.1126/scisignal.aan2866

Leslie K. Ferrarelli

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

J.B. Wu, L. Yin, C. Shi, Q. Li, P. Duan, J.-M. Huang, C. Liu, F. Wang, M. Lewis, Y. Wang, T.-P. Lin, C.-C. Pan, E. M. Posadas, H. E. Zhau, L. W. K. Chung, MAOA-dependent activation of Shh-IL6-RANKL signaling network promotes prostate cancer metastasis by engaging tumor-stromal cell interactions. Cancer Cell 31,368-382 (2017). OpenUrl Google Scholar

M. D. Nyquist, P. S. Nelson, Anti-depressant therapy brightens the outlook for prostate cancer bone metastases. Cancer Cell 31, 303-305 (2017). OpenUrl Google Scholar

モノアミン酸化酵素Aを標的とする抗うつ薬は、腫瘍‐間質ループを阻害し、前立腺がんの転移性増殖を遅延させる可能性がある。

要約
モノアミン酸化酵素A阻害薬(MAOI)は、うつ病またはパーキンソン病の患者の治療に用いられる。これらは、脳内の神経伝達物質であるノルエピネフリン、セロトニン、ドパミンの量を減少させることによって作用する。Wu らは、MAOIは転移性腫瘍の微小環境において作用することから、進行前立腺がん(PCa)患者用に振り向けられる可能性があることを発見した(NyquistとNelsonも参照)。前立腺がん患者コホートにおいて、MAOAの存在量に転移との関連が認められた。細胞培養モデルでは、MAOAが腫瘍細胞で転写因子TWISTを介してソニックヘッジホッグ(Shh)産生を刺激した。分泌されたShhが続いて、間質細胞において標的遺伝子を転写的に活性化させた。結果として、間質の骨芽細胞からのインターロイキン-6および核内因子κBリガンド(RANKL)分泌が増加し、骨の転移性コロニー形成を促進する骨破壊が引き起こされた。骨破壊により増殖因子が放出され、腫瘍細胞からのさらなるShh産生が刺激された。播種性前立腺がんのマウスモデルにMAOIのクロルジリン(clorgyline)を投与すると、おそらくはこの自己増幅性の腫瘍‐間質ループが抑制されることによって、骨および内臓のコロニー形成が遅延された。したがって、MAOIは進行前立腺がん患者に対する新たな治療戦略となる可能性がある。

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2017年3月28日号

Editor's Choice

抗うつ薬が転移性前立腺がんから骨を守る

Research Article

スフィンゴシン1-リン酸のその受容体S1P5を介したシグナル伝達が染色体分離および有糸分裂の進行を促進する

ミクログリアにおけるカベオリン-1の媒介するビタミンCトランスポーターSVCT2のインターナリゼーションは炎症性表現型を誘導する

ミトコンドリアSTAT3のストレス誘導性動的制御とそのサイクロフィリンDとの結合はミトコンドリアのROS産生を低下させる

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