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スフィンゴシン1-リン酸のその受容体S1P5を介したシグナル伝達が染色体分離および有糸分裂の進行を促進する

Sphingosine 1-phosphate signaling through its receptor S1P5 promotes chromosome segregation and mitotic progression

Research Article

Sci. Signal. 28 Mar 2017:
Vol. 10, Issue 472, eaah4007
DOI: 10.1126/scisignal.aah4007

Guillaume Andrieu1,2,3, Adeline Ledoux1,2,3, Sophie Branka1,2,3, Magalie Bocquet1,2,3, Julia Gilhodes4, Thierry Walzer5, Kousuke Kasahara6, Masaki Inagaki6, Roger A. Sabbadini7, Olivier Cuvillier1,2,3,*, and Anastassia Hatzoglou1,2,3,*

1 CNRS, Institut de Pharmacologie et de Biologie Structurale, 31400 Toulouse, France.
2 Universit? de Toulouse, Universit? Paul Sabatier, 31400 Toulouse, France.
3 Equipe Labellis?e Ligue Contre le Cancer, 31400 Toulouse, France.
4 Clinical Trials Office, Biostatistics Unit, Institut Claudius Regaud, Institut Universitaire du Cancer Toulouse-Oncop?le, 31100 Toulouse, France.
5 INSERM U1111, 69635 Lyon, France.
6 Division of Biochemistry, Aichi Cancer Center Research Institute, Nagoya, Aichi 464-8681, Japan.
7 Lpath Inc., San Diego, CA 92121, USA.

* Corresponding author. Email: olivier.cuvillier@inserm.fr (O.C.); anastassia.hatzoglou@ipbs.fr (A.H.)

* Present address: Department of Biological Chemistry and Molecular Pharmacology, Harvard Medical School, Boston, MA 02115, USA.

† These authors contributed equally to this work.

要約
スフィンゴシンキナーゼ1(SphK1)は細胞の増殖と生存を促進し、腫瘍ではしばしばその存在量が増加している。SphK1は、5つのGタンパク質共役受容体(S1P1-5)の下流にあるシグナル伝達カスケードを活性化するシグナル伝達脂質スフィンゴシン1-リン酸(S1P)を産生し、血管および免疫系機能を調節して増殖を促進する。われわれは、SphK1-S1P経路がもつ新たな機能、具体的には有糸分裂の制御における機能を特定した。Hela細胞におけるSphK1の枯渇は分裂前中期での停止を引き起こし、一方でその過剰発現または活性以下は有糸分裂を促進した。S1Pの存在量の増加は有糸分裂の進行を促進し、紡錘体集合チェックポイント(SAC)を無効にして、染色体分離異常を生じさせた。S1PはトランスポーターであるSPNS2を介して分泌され、細胞外側にあるS1P5に結合して活性化することで有糸分裂を刺激し、さらにこれはホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)-AKT経路を活性化した。S1P5をノックダウンすると、S1P誘発性の紡錘体異常の表現型が抑制された。Hela細胞を用いたRNA干渉アッセイにより、有糸分裂キナーゼPolo様キナーゼ1(PLK1)がS1P-S1P5シグナル伝達誘発性有糸分裂の重要なエフェクターであることが明らかにされた。われわれの所見は、有糸分裂の進行を促進する細胞外シグナル伝達およびその下流経路を明らかにし、さらにがん細胞の増殖を阻止するための治療標的候補を示していると考えられる。

Citation: G. Andrieu, A. Ledoux, S. Branka, M. Bocquet, J. Gilhodes, T. Walzer, K. Kasahara,M. Inagaki, R. A. Sabbadini, O. Cuvillier, A. Hatzoglou, Sphingosine 1-phosphate signalingthrough its receptor S1P5 promotes chromosome segregation and mitotic progression. Sci.Signal. 10, eaah4007 (2017).

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