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新たなつながり:炎症にブレーキをかける

New connections: Putting the brakes on inflammation

Editor's Choice

Sci. Signal. 10 Jul 2018:
Vol. 11, Issue 538, eaau2217
DOI: 10.1126/scisignal.aau2217

Erin R. Williams

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

J. J. Seeley, R. G. Baker, G. Mohamed, T. Bruns, M. S. Hayden, S. D. Deshmukh, D. E. Freedberg, S. Ghosh, Induction of innate immune memory via microRNA targeting of chromatin remodelling factors. Nature 559, 114-119 (2018).
Google Scholar

F. Sisti, S. Wang, S. L. Brandt, N. Glosson-Byers, L. D. Mayo, Y. M. Son, S. Sturgeon, L. Filgueiras, S. Jancar, H. Wong,C. S. Dela Cruz, N. Andrews, J. C. Alves-Filho, F. Q. Cunha, C. H. Serezani, Nuclear PTEN enhances the maturation of a microRNA regulon to limit MyD88-dependent susceptibility to sepsis. Sci. Signal. 11, eaai9085 (2018).
Abstract/FREE Full TextGoogle Scholar

マイクロRNAは、複数の経路を標的にすることによって、敗血症時の炎症を抑える。

要約

細菌感染に対する全身性反応は、炎症性サイトカインの激しい産生を引き起こしうるが、炎症が、敗血症時の危険な二次感染に対する反応を著しく抑制することもある。この抑制は、微生物産物への過去の曝露によって、後の負荷に対する自然免疫細胞応答が変化する、自然免疫記憶に似ている。Seeleyらは、in vitroでエンドトキシンの長期曝露に対するマクロファージ応答を制限するマイクロRNA(miRNA)をスクリーニングし、miR221とmiR222が炎症遺伝子の発現を抑制することを示した。これらのmiRNAは、Brg1(Brahma-related gene 1)をコードするmRNAを標的とし、SWI/SNFヌクレオソームリモデリング複合体からこの成分が欠損すると、炎症性サイトカインをコードするSTAT依存性遺伝子の転写が抑制された。敗血症患者では、健常ドナーと比較してこれらのmiRNAの発現が増加しており、これらのmiRNAを欠損したマウスは、炎症性の敗血症性ショックから保護された。Science Signaling Archivesでは、Sistiらが、miRNAが敗血症時の炎症を抑える仕組みのもう1つの例を示していた。著者らは、敗血症患者と敗血症マウスにおいてホスファターゼ・テンシン・ホモログ遺伝子(PTEN)の発現が増加することに着目し、マウスにおいて、骨髄細胞のPTEN欠損によってサイトカイン産生と細菌負荷が増加することを見出した。ラパマイシン感受性PTENの活性により、miR125bとmiR203bの存在量が増加し、これらのmiRNAは、Toll様受容体アダプタータンパク質MyD88をコードする転写物を破壊の標的とした。PTENはさらに、Drosha-Dgcr8 miRNAプロセシング複合体と物理的に結合し、その核移行を促進した。総合すると、これらの研究は、個別のmiRNAがさまざまな機構を用いて、敗血症時の炎症反応を抑える仕組みを明らかにしている。

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2018年7月10日号

Editor's Choice

新たなつながり:炎症にブレーキをかける

Research Article

キナーゼATMによるミトコンドリアの酸化還元センシングが細胞の抗酸化能を維持する

IKKはLKB1欠損細胞において、サイトカイン誘導性およびがんに関連したAMPK活性を促進し、フェンホルミン誘導性細胞死を抑制する

共刺激分子CD226はVAV1を介してシグナルを伝達することにより、TCRシグナルを増幅し、CD4+ T細胞によるIL-17産生を促進する

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