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共刺激分子CD226はVAV1を介してシグナルを伝達することにより、TCRシグナルを増幅し、CD4+ T細胞によるIL-17産生を促進する

The costimulatory molecule CD226 signals through VAV1 to amplify TCR signals and promote IL-17 production by CD4+ T cells

Research Article

Sci. Signal. 10 Jul 2018:
Vol. 11, Issue 538, eaar3083
DOI: 10.1126/scisignal.aar3083

Guillaume Gaud1, Romain Roncagalli2, Karima Chaoui3, Isabelle Bernard1, Julien Familiades1, Céline Colacios1, Sahar Kassem1, Bernard Monsarrat3, Odile Burlet-Schiltz3, Anne Gonzalez de Peredo3, Bernard Malissen2,4,*, and Abdelhadi Saoudi1,*,†

1 Centre de Physiopathologie de Toulouse Purpan, Université de Toulouse, CNRS, Inserm, Toulouse 31300, France.
2 Centre d'Immunologie de Marseille-Luminy, Aix-Marseille Université, Inserm, CNRS, 13288 Marseille, France.
3 Institut de Pharmacologie et de Biologie Structurale, Université de Toulouse, CNRS UMR 5089, 31077 Toulouse Cedex, France.
4 Centre d'Immunophénomique, Aix-Marseille Université, Inserm, CNRS, 13288 Marseille, France.

† Corresponding author. Email: abdelhadi.saoudi@inserm.fr

* These authors contributed equally to this work.

要約

T細胞の活性化にはグアニンヌクレオチド交換因子VAV1が必要である。本研究では、内因性VAV1分子にアフィニティ精製用タグを結合させたマウスを用いて、定量的質量分析法により、活性化VAV1の周囲に集合するシグナル伝達複合体を分析した。50個のVAV1結合パートナーが特定され、そのうちのほとんどは、これまでVAV1シグナル伝達への関与は報告されていない。そのうちの一つは、免疫細胞の共刺激分子CD226である。CD226の関与は、VAV1のチロシンリン酸化を誘発し、T細胞受容体(TCR)シグナルと相乗作用することにより、特異的に初代ヒトCD4+ T細胞によるインターロイキン-17(IL-17)の産生を亢進させる。さらに、TCRと自己免疫に関連のあるCD226のリスクバリアント(rs763361)の共関与により、VAV1の活性化及びIL-17の産生がさらに亢進する。このように、本研究から、生理学的及び病理学的T細胞応答中にTCRとCD226の間にVAV1をベースとする相乗的クロストークが存在することが明らかになり、自己免疫疾患の管理としてCD226を標的とすることの合理的な根拠が得られた。

Citation: G. Gaud, R. Roncagalli, K. Chaoui, I. Bernard, J. Familiades, C. Colacios, S. Kassem, B. Monsarrat, O. Burlet-Schiltz, A. G. de Peredo, B. Malissen, A. Saoudi, The costimulatory molecule CD226 signals through VAV1 to amplify TCR signals and promote IL-17 production by CD4+ T cells. Sci. Signal. 11, eaar3083 (2018).

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