骨で暖かさを感じる

Feeling the warmth in your bones

Editor's Choice

Sci. Signal. 06 Oct 2020:
Vol. 13, Issue 652, eabf0850
DOI: 10.1126/scisignal.abf0850

Wei Wong

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA Email: wwong@aaas.org

C. Chevalier, S. Kieser, M. Çolakoğlu, N. Hadadi, J. Brun, D. Rigo, N. Suárez-Zamorano, M. Spiljar, S. Fabbiano,B. Busse, J. Ivanišević, A. Macpherson, N. Bonnet, M. Trajkovski, Warmth prevents bone loss through the gut microbiota. Cell Metab. S1550-4131(20)30425-3 (2020). Google Scholar

暖かい周囲温度が、腸内細菌叢に骨量減少を軽減する因子を放出させる。

要約

閉経後女性に起こるエストロゲン産生の低下は、骨粗鬆症による骨折のリスクを上昇させる。Chevalierらは、暖かい周囲温度が、骨量減少を軽減する因子の腸内細菌叢からの放出を促進することを見出した。メタデータ解析により、股関節骨折の発生率は、ビタミンD状態とは独立して、緯度と正の相関を示し、より暖かい気温と負の相関を示すことが明らかになった。高齢雌マウスを34℃で飼育すると、骨強度が増加し、卵巣摘出によって誘発される骨量減少と脆弱性が防止された。暖かい周囲温度によって、雌雄両方のさまざまな齢のマウスにおいて、腸内細菌叢の組成が変化した。34℃で飼育した雌マウスから得た細菌叢を移植すると、卵巣摘出による骨強度の低下が消失した。メタゲノム解析によって、ポリアミン合成の構成要素をコードする遺伝子の発現増加が同定され、質量分析によって、34℃で飼育した雌マウスの腸内細菌叢におけるポリアミン代謝物存在量の増加が確認された。ポリアミンの投与により、室温で飼育した高齢雌マウスの骨強度が増加した一方、ポリアミン合成阻害剤を投与すると、34℃での飼育による骨強度への有益な効果が打ち消された。したがって、暖かさに反応して腸内細菌叢から放出されるポリアミンが、骨量減少を軽減し、骨粗鬆症予防のための戦略となる可能性がある。

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