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新たなつながり:免疫のバランスを回復する

New connections: Restoring immune balance

Editor's Choice

Sci. Signal. 08 Dec 2020:
Vol. 13, Issue 661, eabf9854
DOI: 10.1126/scisignal.abf9854

Leslie K. Ferrarelli

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA. Email: lferrare@aaas.org

S. K. Mendu, M. E. Stremska, M. S. Schappe, E. K. Moser, J. K. Krupa, J. S. Rogers, E. J. Stipes, C. A. Parker, T. J. Braciale, J. S. A. Perry, B. N. Desai, Targeting the ion channel TRPM7 promotes the thymic development of regulatory T cells by promoting IL-2 signaling. Sci. Signal. 13, eabb0619 (2020). Google Scholar

https://stke.sciencemag.org/content/13/661/eabb0619

H. Torrey, W. M. Kühtreiber, Y. Okubo, L. Tran, K. Case, H. Zheng, E. Vanamee, D. L. Faustman, A novel TNFR2 agonist antibody expands highly potent regulatory T cells. Sci. Signal. 13, eaba9600 (2020). Google Scholar

https://stke.sciencemag.org/content/13/661/eaba9600

制御性T細胞集団を拡大するための新たな標的が、自己免疫疾患や炎症性疾患に対して治療効果を有する可能性がある。

要約

制御性T(Treg)細胞は、エフェクターT(Teff)細胞を抑制することによって、免疫系の活性の重要な抑制因子として作用する。自己免疫疾患や慢性炎症性疾患の患者では、Treg細胞の数と活性を増加させることが治療として有効である可能性がある。Science Signaling今週号に掲載された2つの研究において、そのような目的でさらに開発される可能性のある、標的と抗体候補が明らかになっている。Menduらは、マウスにおいて、TRPM7のチャネルおよびキナーゼの阻害によりTreg細胞数が増加することを見出した。マウスにおけるTRPM7の欠損により、サイトカインIL-2に対するT細胞の感受性と応答が高まり、胸腺でのTreg細胞発生が促進され、Teff細胞依存性肝炎に対する防御効果が認められた。したがって、TRPM7を標的とすることが、患者のTreg細胞数を増加させる1つの方法であると考えられる。Treg細胞は、サイトカイン受容体TNFR2を活性化するリガンドによって刺激される。Torreyらは、TNFR2を刺激して免疫抑制性Treg細胞の増殖と活性化を引き起こす抗体を開発した。このTNFR2アゴニスト抗体を初代培養ヒトT細胞の培養に加えると、Treg細胞数が増加し、それによりTeff細胞が抑制された。この抗体のさまざまな特徴から、Treg細胞を活性化する現在の方法と比較してこの抗体はより強力でもあり、重要な点として毒性は低い可能性があることが示唆された。これらの論文の結果により、Treg細胞とTeff細胞のバランスを回復させて炎症性疾患を治療するための、新たな知見と手段が明らかになっている。

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

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2020年12月8日号

Editor's Choice

新たなつながり:免疫のバランスを回復する

Research Article

イオンチャネルTRPM7を標的にするとIL-2シグナル伝達の促進によって胸腺での制御性T細胞の発生が促進される

NOD1の存在量のわずかな持続的な増加がリガンド非依存的な炎症性応答およびがん遺伝子の転写応答を促進する

Research Resources

新規のTNFR2アゴニスト抗体によるきわめて強力な制御性T細胞の増殖

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