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NOD1の存在量のわずかな持続的な増加がリガンド非依存的な炎症性応答およびがん遺伝子の転写応答を促進する

A small sustained increase in NOD1 abundance promotes ligand-independent inflammatory and oncogene transcriptional responses

Research Article

Sci. Signal. 08 Dec 2020:
Vol. 13, Issue 661, eaba3244
DOI: 10.1126/scisignal.aba3244

Leah M. Rommereim1,*,†, Ajay Suresh Akhade1,*, Bhaskar Dutta2,*, Carolyn Hutcheon1,‡, Nicolas W. Lounsbury2, Clifford C. Rostomily1, Ram Savan3, Iain D. C. Fraser2, Ronald N. Germain2, and Naeha Subramanian1,3,4,§

  1. 1 Institute for Systems Biology, Seattle, WA 98109, USA.
  2. 2 Laboratory of Immune System Biology, National Institute of Allergy and Infectious Diseases, National Institutes of Health, Bethesda, MD 20892-0421, USA.
  3. 3 Department of Immunology, University of Washington, Seattle, WA 98109, USA.
  4. 4 Department of Global Health, University of Washington, Seattle, WA 98109, USA.

§ Corresponding author. Email: nsubrama@systemsbiology.org

* These authors contributed equally to this work as co-first authors.

† Present address: SEngine Precision Medicine, Seattle, WA 98109, USA.

‡ Present address: Resolution Bioscience, Kirkland, WA 98033, USA.

要約

転写における小さな遺伝的に決定された違い[発現量的形質遺伝子座(eQTL)]は、未知の分子機構を介して複雑な疾患に関係している。ここでは、自然病原体センサーNOD1の存在量のわずかな持続的増加が単球の転写状態の大きな変化を引き起こすことを示した。マイクロRNAクラスターmiR-15b/16による調節の喪失に起因するNOD1タンパク質の存在量の1.2〜1.3倍の増加は、転写因子NF-κBおよびMAPKp38のリガンド誘導性活性化の閾値を低下させた。NOD1の存在量を基底量の1.5倍にさらに持続的に増加させることにより、この低リガンド濃度必要量を飛び越え、炎症誘発性遺伝子およびがん遺伝子の強力なリガンド非依存性誘導をもたらした。これらの発見は、NOD1の存在量を厳密に調節することで、このセンサーが持続的な炎症とがん遺伝子の発現を促進する生理学的スイッチチェックポイントを超えるのを防ぐことを明らかにした。さらに、われわれのデータは、タンパク質量の量的に小さな変化が、疾病のイニシエーターとして機能しうる細胞状態の顕著な変化をどのように生み出すことができるかについての洞察を提供する。

Citation: L. M. Rommereim, A. S. Akhade, B. Dutta, C. Hutcheon, N. W. Lounsbury, C. C. Rostomily, R. Savan, I. D. C. Fraser, R. N. Germain, N. Subramanian, A small sustained increase in NOD1 abundance promotes ligand-independent inflammatory and oncogene transcriptional responses. Sci. Signal. 13, eaba3244 (2020).

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