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新規のTNFR2アゴニスト抗体によるきわめて強力な制御性T細胞の増殖

A novel TNFR2 agonist antibody expands highly potent regulatory T cells

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Sci. Signal. 08 Dec 2020:
Vol. 13, Issue 661, eaba9600
DOI: 10.1126/scisignal.aba9600

Heather Torrey*, Willem M. Kühtreiber*, Yoshiaki Okubo, Lisa Tran, Katherine Case, Hui Zheng, Eva Vanamee, and Denise L. Faustman

Immunobiology Laboratory, Massachusetts General Hospital and Harvard Medical School, Boston, MA 02129, USA.

† Corresponding author. Email: faustman@helix.mgh.harvard.edu

* These authors contributed equally to this work.

要約

制御性T細胞(Treg細胞)は、自己抗原への応答などの免疫系の活性を制限し、また腫瘍壊死因子受容体2(TNFR2)によってそのスイッチが入る。治療によりTNFR2を活性化することでTreg細胞を増殖させ免疫活性を抑えることは、種々の炎症性疾患の患者において有益であると考えられる。今回われわれは、マウスから単離した、ヒトTNFR2を標的とする新規のアゴニスト抗体の特徴を明らかにした。健康ドナー、1型糖尿病患者またはセザリー症候群の患者から採取したヒトCD4+ T細胞の初代培養において、このアゴニスト抗体はTreg細胞数を増加させた。これらのTreg細胞では代謝関連の遺伝子発現が亢進し、細胞内イタコン酸濃度が増加していたが、これらは最大限に抑制性の抗炎症性Treg細胞に付随する特徴であった。さらに、抗体によって増加したTreg細胞は、初代ヒトCD8+エフェクターT細胞(Teff細胞)の活性を抑制した。エピトープマッピングから、抗体とTNFR2の結合は天然の架橋表面を介していること、またTreg細胞の増加は抗体Fc領域には依存していないことが示唆された。さらにTreg細胞の増殖は、補助的なTNFリガンドまたは架橋試薬の添加によって亢進しなかったことから、アゴニスト抗体そのものが最大限の活性化をもたらす可能性が示唆された。このような概念は可溶性TNFR2の分泌増加によって確認された。In vivo試験の結果は得られていないが、これらの特性は、このTNFR2アゴニスト抗体が種々の炎症性疾患を安全かつ効果的に治療できる可能性を示している。

Citation: H. Torrey, W. M. Kühtreiber, Y. Okubo, L. Tran, K. Case, H. Zheng, E. Vanamee, D. L. Faustman, A novel TNFR2 agonist antibody expands highly potent regulatory T cells. Sci. Signal. 13, eaba9600 (2020).

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