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Oraiのチャネルポア特性とSTIMによるゲーティング:Orai結晶構造が示唆するもの
Orai Channel Pore Properties and Gating by STIM: Implications from the Orai Crystal Structure
Sci. Signal., 19 March 2013
Vol. 6, Issue 267, p. pe9
[DOI: 10.1126/scisignal.2003971]
Brad S. Rothberg, Youjun Wang, and Donald L. Gill*
Department of Biochemistry, Temple University School of Medicine, 3400 North Broad Street, Philadelphia, PA 19140, USA.
* Corresponding author. E-mail: dgill@temple.edu
要約
Oraiチャネルは、大半の細胞種に認められる、独特で際立ったカルシウム(Ca2+)シグナルメディエーターである。Oraiタンパク質は構造的に特異であり、他のイオンチャネルとの配列相同性は低い。またこれは機能的にも独特で、Ca2+に著しく高い選択性をもち、短期的なCa2+の恒常性と、転写調節に重要な長期的Ca2+シグナルの両方を媒介している。細胞膜の中で働くOraiチャネルの調節は、イオンチャネルの中でもこれまで例を見ないものである。すなわちチャネルのゲーティングは、小胞体内の間質相互作用分子(stromal interaction molecule:STIM)タンパク質との精巧な膜間カップリングを介して生じている。STIMタンパク質は、小胞体内腔に蓄積されるCa2+のセンサーとして働き、小胞体のCa2+濃度が低下したときに小胞体と細胞膜の接合部に移動して、Oraiチャネルを繋ぎ止めて活性化する。結晶解析研究から、予想外であったOraiチャネルの六量体構造が明らかにされ、ポアの構築、その特異なカチオン選択性の構造的基盤、またSTIMタンパク質とのカップリングを通してどのようにチャネルのゲーティングが生じるのかについて、重要な知見が得られた。
B. S. Rothberg, Y. Wang, D. L. Gill, Orai Channel Pore Properties and Gating by STIM: Implications from the Orai Crystal Structure. Sci. Signal. 6, pe9 (2013).