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ユビキチン系:直接作用がシグナル伝達に加わる

Ubiquitin System: Direct Effects Join the Signaling

Perspectives

Sci. Signal., 18 June 2013
Vol. 6, Issue 280, p. pe22
[DOI: 10.1126/scisignal.2004251]

Alexander L. Chernorudskiy1* and Murat R. Gainullin1,2

1 Postgenomic Technology Group, Institute of Applied and Fundamental Medicine, Nizhny Novgorod State Medical Academy, Nizhny Novgorod, 603005, Russia.
2 Department of Bioinformatics, Nizhny Novgorod State University, Nizhny Novgorod, 603950, Russia.

* Corresponding author. E-mail: chalbio@gmail.com

要約:ユビキチン化は、真核生物のタンパク質に広くみられる重要な翻訳後修飾であり、正常状態と病的状態の両方で多数の重要な細胞過程を調節する。ユビキチン化がタンパク質機能を調節する仕組みに関する古典的な考え方には、ユビキチンにコードされたシグナルの、特異的なユビキチン結合ドメインによる認識が関与する。しかし、ユビキチン化が、特異的ユビキチン受容体を必要としないタンパク質間相互作用に対する影響を介して、直接作用を及ぼすことが、証拠によって示唆されている。ユビキチンの付着によって立体的な制限が生じ、修飾されたタンパク質の他のタンパク質との相互作用に影響が及ぶと考えられる。本稿では、ユビキチン化のこの直接作用の例を示し、ユビキチンを介する2段階の調節機構によって柔軟性がもたらされる仕組みを提唱する。

A. L. Chernorudskiy, M. R. Gainullin, Ubiquitin System: Direct Effects Join the Signaling. Sci. Signal. 6, pe22 (2013).

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