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核膜におけるTGF-βシグナル伝達の阻害:MAN1とSmad2、Smad3間の相互作用とPPM1Aの特徴づけ

Inhibition of TGF-β Signaling at the Nuclear Envelope: Characterization of Interactions Between MAN1, Smad2 and Smad3, and PPM1A

Research Article

Sci. Signal., 18 June 2013
Vol. 6, Issue 280, p. ra49
[DOI: 10.1126/scisignal.2003411]

Benjamin Bourgeois1, Bernard Gilquin1, Carine Tellier-Lebègue1, Cecilia Östlund2, Wei Wu2, Javier Pérez3, Perla El Hage4, François Lallemand4, Howard J. Worman2, and Sophie Zinn-Justin1*

1 Laboratoire de Biologie Structurale et Radiobiologie, URA CNRS 2096, CEA Saclay, 91190 Gif-sur-Yvette, France.
2 Department of Medicine and Department of Pathology and Cell Biology, College of Physicians and Surgeons, Columbia University, New York, NY 10032, USA.
3 Synchrotron SOLEIL, BP 48, 91192 Gif-sur-Yvette Cedex, France.
4 Institut Curie, Laboratoire d’Oncogénétique, Hôpital René Huguenin, 35 rue Dailly, Saint-Cloud 92210, France.

* Corresponding author. E-mail: sophie.zinn@cea.fr

要約:トランスフォーミング増殖因子–β(TGF-β)によるシグナル伝達は、様々な発生過程において決定的に重要であり、最終的に転写因子Smad2およびSmad3の活性化を行う。核内膜の膜内タンパク質であるMAN1は、Smad2とSmad3に結合することにより、TGF-βシグナル伝達を阻害する。MAN1をコードする遺伝子LEMD3の欠損はマウスに置いて発生異常を誘導し、ヒトにおける機能欠失変異のヘテロ接合体は硬化性骨異形成症を引き起こす。われわれは、核磁気共鳴および小角X線散乱のデータをもとにMAN1-Smad2複合体の三次元構造をモデル化した。このモデルで予測されたように、われわれは、MAN1がin vitroにおいても細胞内においても転写因子FAST1(フォークヘッド型アクチビン情報伝達因子1)とSmad2への結合を競合することを見いだした。このモデルはさらに、MAN1が活性化されたSmad2-Smad4あるいはSmad3-Smad4複合体に結合することを予測し、in vitroの実験では認められたが、細胞内では、MAN1はSmad2およびSmad3にのみ結合しSmad4を含む複合体とは結合しなかった。MAN1の過剰発現はSmad2およびSmad3の脱リン酸化を誘導し、Smad4による認識を妨げる。またMAN1はin vitroで、Smad2/3の脱リン酸化を触媒するホスファターゼPPM1Aに直接結合する。これらの結果は、核膜に局在するTGF-βシグナル伝達の不活性化機構、すなわち、MAN1が転写因子とSmad2およびSmad3への結合を競合し、PPM1AによるSmad2およびSmad3の脱リン酸化を促す機構を示した。

B. Bourgeois, B. Gilquin, C. Tellier-Lebègue, C. Östlund, W. Wu, J. Pérez, P. El Hage, F. Lallemand, H. J. Worman, S. Zinn-Justin, Inhibition of TGF-β Signaling at the Nuclear Envelope: Characterization of Interactions Between MAN1, Smad2 and Smad3, and PPM1A. Sci. Signal. 6, ra49 (2013).

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