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二量体化がRasシグナル伝達研究への新たな道を開く

Dimerization Opens New Avenues into Ras Signaling Research

Perspectives

Sci. Signal., 6 May 2014
Vol. 7, Issue 324, p. pe12
[DOI: 10.1126/scisignal.2005318]

Eugenio Santos*

Centro de Investigación del Cáncer, IBMCC (Consejo Superior de Investigaciones Cientificas–Universidad de Salamanca), University of Salamanca, Campus Unamuno, 37007 Salamanca, Spain.

* Corresponding author. E-mail: esantos@usal.es

25年以上前に初めて仮定されたRasタンパク質の二量体の存在が、最近開発された物理化学的手法やイメージング技術を用いたいくつかの報告において、実験的に証明されている。これらのデータによって、Rasタンパク質のホモ二量体化またはヘテロ二量体化が生理学的および病理学的に重要である可能性に、新たな関心が向けられている。Ras二量体の構造・機能特性が解明されれば、正常な生理機能と発がん過程の両方に寄与するシグナル伝達経路におけるRasタンパク質の関与について、答えの出ていない疑問に機構的な説明が付くと考えられる。さらに、この知識によって、Rasタンパク質を標的とする新薬の開発が可能になるはずである。

E. Santos, Dimerization Opens New Avenues into Ras Signaling Research. Sci. Signal. 7, pe12 (2014).

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