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変異型KRASの下流である転写制御因子YAPは膵管腺がんへの腫瘍進行に不可欠である

Downstream of Mutant KRAS, the Transcription Regulator YAP Is Essential for Neoplastic Progression to Pancreatic Ductal Adenocarcinoma

Research Article

Sci. Signal., 6 May 2014
Vol. 7, Issue 324, p. ra42
[DOI: 10.1126/scisignal.2005049]

Weiying Zhang, Nivedita Nandakumar, Yuhao Shi, Mark Manzano, Alias Smith, Garrett Graham, Swati Gupta, Eveline E. Vietsch, Sean Z. Laughlin, Mandheer Wadhwa, Mahandranauth Chetram, Mrinmayi Joshi, Fen Wang, Bhaskar Kallakury, Jeffrey Toretsky, Anton Wellstein, and Chunling Yi*

Lombardi Comprehensive Cancer Center, Georgetown University Medical Center, Washington, DC 20057, USA.

* Corresponding author. E-mail: cy232@georgetown.edu

膵管腺がん(PDAC)は生存率が低く悪性度の高いがんであり、しばしば発がん性のKRAS変異を伴う。しかしながら、これまでKRASは実現可能な治療標的ではなかった。われわれは、組織発生および恒常性維持においてHippo経路により制御されるタンパク質であるYes結合タンパク質(YAP)をコードするYAP mRNAの存在量が、ヒトPDAC組織では正常膵臓上皮よりも増加していることを見いだした。遺伝子改変KrasG12DおよびKrasG12D:Trp53R172Hマウスモデルにおいて、膵臓特異的なYapの欠失は、正常な膵臓発生および内分泌機能に影響することなしに初期腫瘍性病変のPDACへの進行を止めた。YapはPDACへの進行の開始段階である腺房—導管異形成(ADM)には必要でないが、変異型KrasあるいはKras:Trp53腫瘍膵管細胞の培養での増殖、およびマウスにおけるそれらの成長と侵襲性PDACへの進行に決定的に必要とされた。Yapは、発がん性KRAS–分裂促進因子活性化キナーゼ(MAPK)経路の下流の重要な転写スイッチとして機能し、腫瘍微小環境での腫瘍形成性間質応答である、腫瘍増殖を累積的に持続させる分泌性因子をコードする遺伝子の発現を促進し、KrasおよびKras:Trp53変異膵臓組織におけるPDAC進行を促した。このように、われわれの発見は、Yapが発がん性KRASの重要なエフェクターであり、PDACおよびおそらくは他の型のKRAS変異がんに対する有望な治療標的であることを示した。

W. Zhang, N. Nandakumar, Y. Shi, M. Manzano, A. Smith, G. Graham, S. Gupta, E. E. Vietsch, S. Z. Laughlin, M. Wadhwa, M. Chetram, M. Joshi, F. Wang, B. Kallakury, J. Toretsky, A. Wellstein, C. Yi, Downstream of Mutant KRAS, the Transcription Regulator YAP Is Essential for Neoplastic Progression to Pancreatic Ductal Adenocarcinoma. Sci. Signal. 7, ra42 (2014).

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