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「神経膠」による呼吸制御
Control of Breathing by "Nerve Glue"
Sci. Signal., 9 November 2010
Vol. 3, Issue 147, p. pe41
[DOI: 10.1126/scisignal.3147pe41]
Klaus Ballanyi*, Bogdan Panaitescu, and Araya Ruangkittisakul
Department of Physiology, University of Alberta, Edmonton, Alberta T6G 2S2, Canada.
* Corresponding author: Telephone, +1 (780) 492-8235+1 (780) 492-8235; fax, +1 (780) 492-1308; e-mail, klaus.ballanyi@ualberta.ca
要約:長い間ニューロンの構造的支持体にすぎないと考えられていたグリア細胞は、今では脳代謝、血液脳関門、脳 血行動態およびニューロン機能の中枢とみなされている。グリア細胞によるマルチタスクには、神経伝達物質の取込みや、グルタミン酸及びアデノシン5'-三 リン酸(ATP)などのグリア伝達物質の放出などのさまざまな過程を制御する多数のシグナル伝達経路及びエフェクター経路が関与している。脳脊髄液がアシ ドーシスになると、脳幹腹側表面において星状グリア細胞からATPが放出され、その結果、pre-B?tzinger複合体(preB?tC)のニューロ ンを刺激する隣接脳幹ニューロンが活性化され、吸気運動が制御される。遺伝子操作された光刺激およびCa2+イメージングツールを 他の分子的方法や電気生理学的方法と組み合わせることによって、グリア細胞による複雑な行動の調節、特に呼吸回路機能に対する新たな洞察が得られている。 このような技術の進歩によって、脳幹腹側部だけでなく、重要な脳リズムを生成するpreB?tC内でも呼吸に関するニューロンとグリア細胞の相互作用の直 接解析が可能になる。
K. Ballanyi, B. Panaitescu, A. Ruangkittisakul, Control of Breathing by "Nerve Glue". Sci. Signal. 3, pe41 (2010).