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形質細胞の分化におけるpERKによる BLIMPアップ
pERKing Up the BLIMP in Plasma Cell Differentiation
Sci. Signal., 19 April 2011
Vol. 4, Issue 169, p. pe21
[DOI: 10.1126/scisignal.2001987]
David M. Allman and Michael P. Cancro*
University of Pennsylvania School of Medicine, John Morgan Building, 3620 Hamilton Walk, Philadelphia, PA 19104, USA.
* Corresponding author. E-mail, cancro@mail.med.upenn.edu
要約:ナイーブB細胞の抗体分泌形質細胞への分化を誘導する細胞内経路については、まだあまりわかっていない。新たな研究によって、細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)の活性化が、形質細胞の分化にとって必要な転写リプレッサーであるBリンパ球誘導成熟タンパク質1(Blimp-1)の誘導に重要であることを示す驚くべき証拠が示された。結果として、ERK欠損B細胞は形質細胞を効果的には産生できなかった。これまでの研究では、ERKシグナル伝達は主に細胞分裂を誘導するように機能することが示されているのに対して、形質細胞は分裂しない最終分化細胞であると考えられていたので、これは予想外の結果である。本知見は、抗体媒介免疫の根底にある重要なシグナル伝達経路を明らかにするのみならず、ERKそしておそらくはその他のキナーゼが異なる生物学的状況下で果たすと考えられる多様な役割について重要な問題を提起するものである。
D. M. Allman, M. P. Cancro, pERKing Up the BLIMP in Plasma Cell Differentiation. Sci. Signal. 4, pe21 (2011).