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Rho GEFとがん:遺伝子発現と転移性播種を結び付ける

Rho GEFs and Cancer: Linking Gene Expression and Metastatic Dissemination

Perspectives

Sci. Signal., 2 October 2012
Vol. 5, Issue 244, p. pe43
[DOI: 10.1126/scisignal.2003543]

Laura Barrio-Real and Marcelo G. Kazanietz*

Department of Pharmacology, Perelman School of Medicine, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA 19104, USA.

* Corresponding author. E-mail: marcelog@upenn.edu

要約:グアノシントリホスファターゼ(GTPase)のRhoとRacへのGTPの結合を促進するグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)は、がんの進行における重要な因子である。最近の研究によって、ホスファチジルイノシトール3,4,5-トリスリン酸Rac交換因子のP-Rex1やP-Rex2aなどのいくつかのGEFが、乳がん発症に関連することが明らかになっている。新たな証拠からは、交換因子のVav2とVav3が、腫瘍の増殖、血管新生、および転移を持続させることによって、乳がんにおいて相乗的な役割を果たすことが示唆されている。Vavによる調節を受けるトランスクリプトームと、乳がん細胞の肺への転移性播種の特定の段階を制御するVav関連遺伝子が同定されたことによって、Rho/Rac GTPaseによる調節を受けるシグナル伝達ネットワークの複雑さが明らかになり、新たな治療標的の発見に至る可能性がある。

L. Barrio-Real, M. G. Kazanietz, Rho GEFs and Cancer: Linking Gene Expression and Metastatic Dissemination. Sci. Signal. 5, pe43 (2012).

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