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トランスグルタミナーゼ触媒タンパク質‐タンパク質架橋結合はNF-κB様転写因子Relishの活性を抑制する

Transglutaminase-Catalyzed Protein-Protein Cross-Linking Suppresses the Activity of the NF-κB–Like Transcription Factor Relish

Research Article

Sci. Signal., 23 July 2013
Vol. 6, Issue 285, p. ra61
[DOI: 10.1126/scisignal.2003970]

Toshio Shibata1,2, Sanae Sekihara3, Takumi Fujikawa3, Ryuta Miyaji3, Kouki Maki1, Takeshi Ishihara1,3, Takumi Koshiba1,3, and Shun-ichiro Kawabata1,3*

1 Department of Biology, Faculty of Sciences, Kyushu University, Fukuoka 812-8581, Japan.
2 Institute for Advanced Study, Kyushu University, Fukuoka 812-8581, Japan.
3 Graduate School of Systems Life Sciences, Kyushu University, Fukuoka 812-8581, Japan.

* Corresponding author. E-mail: skawascb@kyudai.jp

要約:哺乳類トランスグルタミナーゼ(TG)によるタンパク質の架橋は、血液凝固や皮膚形成などの生理学的現象において重要な役割を果たしている。本稿では、ショウジョウバエのTGが腸における自然免疫シグナル伝達を抑制することを示す。TGを標的としたRNA干渉(RNAi)は、従来の非無菌状態で飼育したハエの寿命を縮めたが、無菌状態で飼育したハエの寿命は縮めなかった。従来の方法で飼育されたハエでは、TG RNAiによって、免疫不全(IMD)経路における抗菌ペプチドをコードする遺伝子の発現が亢進した。従来の方法で飼育されたTG RNAi処理ハエから作製した腸溶解物を摂取した野生型ハエは寿命が短かった。従来の方法で飼育されたハエでは、TG RNAiによって、腸におけるアポトーシス、およびIMD経路のNF-κB(核因子κB)様転写因子であるRelishの核転座が誘発された。TGに触媒されるタンパク質‐タンパク質架橋反応を阻害する合成アミンドナーを摂取した野生型ハエでは、Relishの核転座が認められ、腸におけるIMD制御抗菌ペプチド遺伝子をコードする遺伝子の発現が亢進した。以上より、TGに触媒されるRelish架橋結合はIMDシグナル伝達経路を抑制することにより、片利共生微生物に対する免疫寛容を可能にすると考えられる。

T. Shibata, S. Sekihara, T. Fujikawa, R. Miyaji, K. Maki, T. Ishihara, T. Koshiba, S.-i. Kawabata, Transglutaminase-Catalyzed Protein-Protein Cross-Linking Suppresses the Activity of the NF-κB–Like Transcription Factor Relish. Sci. Signal. 6, ra61 (2013).

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