• ホーム
  • シグナル伝達を時空間的に可視化する高感度FRETバイオセンサーを創作するための多目的ツールキット

シグナル伝達を時空間的に可視化する高感度FRETバイオセンサーを創作するための多目的ツールキット

A Versatile Toolkit to Produce Sensitive FRET Biosensors to Visualize Signaling in Time and Space

Research Resources

Sci. Signal., 23 July 2013
Vol. 6, Issue 285, p. rs12
[DOI: 10.1126/scisignal.2004135]

Rafael D. Fritz1, Michel Letzelter1*, Andreas Reimann1, Katrin Martin1, Ludovico Fusco1, Laila Ritsma2, Bas Ponsioen2, Erika Fluri1, Stefan Schulte-Merker2,3, Jacco van Rheenen2,4, and Olivier Pertz1†

1 Institute of Biochemistry and Genetics, Department of Biomedicine, University of Basel, Mattenstrasse 28, 4058 Basel, Switzerland.
2 Hubrecht Institute–Royal Netherlands Academy of Arts and Sciences and University Medical Center Utrecht, Uppsalalaan 8, 3584 CT Utrecht, the Netherlands.
3 Experimental Zoology Group, Wageningen UR, 6708 Wageningen, the Netherlands.
4 Cancer Genomics Netherlands, 3508 TC Utrecht, the Netherlands.

* Present address: PerkinElmer, Bahnstrasse 8, 8603 Schwerzenbach, Switzerland.

† Corresponding author. E-mail: olivier.pertz@unibas.ch

要約

蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)に基づく、遺伝学的にコードされたレシオ測定可能なバイオセンサーは細胞のシグナル伝達の時空間動態を研究するのに強力なツールである。しかしながら、感度に欠けるバイオセンサーが多い。われわれは、双極子の配向を変え、FRET効率を維持したまま、異なるシグナル伝達分子による構造的制約によりよく対応できる、供与蛍光団および受容蛍光団双方の循環置換突然変異を含むバイオセンサーライブラリーを提示した。この戦略により、既存のRhoAおよび細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)バイオセンサーの輝度およびダイナミックレンジを改良した。この改良RhoAバイオセンサーを用いることで、われわれは、RhoAが崩壊する成長円錐全体で広く活性化されるにもかかわらず、軸索伸張時の成長円錐フィロポディア内のF-アクチン束の先端におけるマイクロメートルサイズのRhoA活性領域を発見した。RhoAはまた、運動性線維芽細胞の先端のフィロポディアおよび突き出た膜構造においても活性化していた。さらに、改良ERKバイオセンサーを用いて、低倍率顕微鏡を用いた複数の細胞のERK活性化動態の同時計測およびゼブラフィッシュにおけるin vivo FRETイメージングを行った。このように、われわれは、高感度バイオセンサーを容易に創作できる、ベクターセットからなるコンストラクションツールキットを提供する。

R. D. Fritz, M. Letzelter, A. Reimann, K. Martin, L. Fusco, L. Ritsma, B. Ponsioen, E. Fluri, S. Schulte-Merker, J. van Rheenen, O. Pertz, A Versatile Toolkit to Produce Sensitive FRET Biosensors to Visualize Signaling in Time and Space. Sci. Signal. 6, rs12 (2013).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2013年7月23日号

Editor's Choice

発生生物学
AlkはGliの活性を制御する

Research Article

トランスグルタミナーゼ触媒タンパク質‐タンパク質架橋結合はNF-κB様転写因子Relishの活性を抑制する

超解像顕微鏡によってNKG2Dの活性化時に生じる抑制性ナチュラルキラー細胞受容体のナノメートルスケールの再編成が明らかになる

Research Resources

シグナル伝達を時空間的に可視化する高感度FRETバイオセンサーを創作するための多目的ツールキット

最新のResearch Resources記事

2024年2月27日号

乳がん細胞のマルチオミクス・プロファイリングから、AKT分解へのストレスMAPKと関連した感受性が明らかに

2024年1月16日号

二重特異性抗体による基質とユビキチン修飾の同時認識によりユビキチン化されたRIP1およびRIP2の検出が可能に

2023年12月12日号

NRFファミリーの近接プロテオミクス解析によりNRF2の共複合リプレッサーとしてのパーキンソン病タンパク質ZNF746/PARISを解明

2023年8月1日号

細胞膜から核までの時空間Notch相互作用マップ

2023年2月28日号

直交性タンパク質間相互作用のデータ駆動型デザイン