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miR-29は肉腫において腫瘍抑制因子A20のmRNAをHuRによる分解から保護するためにデコイとして作用する

miR-29 Acts as a Decoy in Sarcomas to Protect the Tumor Suppressor A20 mRNA from Degradation by HuR

Research Article

Sci. Signal., 30 July 2013
Vol. 6, Issue 286, p. ra63
[DOI: 10.1126/scisignal.2004177]

Mumtaz Yaseen Balkhi1,2, O. Hans Iwenofu2,3, Nadine Bakkar4, Katherine J. Ladner1,2, Dawn S. Chandler5, Peter J. Houghton5, Cheryl A. London6, William Kraybill2,7, Danilo Perrotti1,2, Carlo M. Croce1,2, Charles Keller8, and Denis C. Guttridge1,2*

1 Department of Molecular Virology, Immunology, and Medical Genetics, Human Cancer Genetics Program, The Ohio State University, Columbus, OH 43210, USA.
2 Arthur G. James Comprehensive Cancer Center, The Ohio State University, Columbus, OH 43210, USA.
3 Department of Pathology and Laboratory Medicine, The Ohio State University, Columbus, OH 43210, USA.
4 Barrow Neurological Institute, 350 West Thomas Road, Phoenix, AZ 85013, USA.
5 Center for Pediatric Oncology, Nationwide Children’s Hospital, Columbus, OH 43205, USA.
6 Department of Veterinary Biosciences, College of Veterinary Medicine, The Ohio State University, Columbus, OH 43210, USA.
7 Department of Surgery, The Ohio State University, Columbus, OH 43210, USA.
8 Pediatric Cancer Biology Program, Papé Family Pediatric Research Institute, Oregon Health & Science University, Portland, OR 97239, USA.

* Corresponding author. E-mail: denis.guttridge@osumc.edu

要約:NF-κB(核因子κB)の活性は、肉腫においてマイクロRNA(miRNA)miR-29の存在量を減少させる。腫瘍抑制因子A20[別名TNFAIP3(腫瘍壊死因子α誘導タンパク質3)]はNF-κBの上流活性化因子を阻害し、リンパ腫では変異していることが多い。われわれは、ヒト肉腫細胞株パネルで、NF-κBの活性が増加していることと、A20のタンパク質とmRNAの量は減少しているのにA20をコードする遺伝子はめったに変異していないことを見出した。A20 mRNAの3'非翻訳領域(UTR)は、miRNAであるmiR-29とmiR-125の両方に対する結合部位を保存している。miR-125の発現はヒト肉腫組織で増加していたが、miR-29の発現はほとんどのサンプルで減少していた。miR-125を過剰発現させると、A20 mRNAの量は減少し、肉腫細胞株でmiR-29を再構成すると、A20のmRNAとタンパク質の量は増加した。RNA結合タンパク質HuR(ヒト抗原R、別名ELAVL1)と直接的に相互作用することによって、miR-29はHuRがA20の3'UTRと結合してRNA分解複合体RISC(RNA誘導サイレンシング複合体)をリクルートするのを妨げた。これは、miR-29がHuRのデコイとして作用しうる、すなわち、A20転写産物を保護しうることを示唆している。肉腫におけるmiR-29量とA20量の減少には、NF-κBの活性亢進と、分化に関連する遺伝子の発現の減少と相関した。まとめると、これらの知見は、miR-29特有の役割を明らかにし、miR-29の欠如が肉腫の腫瘍形成に寄与しているかもしれないことを示唆している。

M. Yaseen Balkhi, O. H. Iwenofu, N. Bakkar, K. J. Ladner, D. S. Chandler, P. J. Houghton, C. A. London, W. Kraybill, D. Perrotti, C. M. Croce, C. Keller, D. C. Guttridge, miR-29 Acts as a Decoy in Sarcomas to Protect the Tumor Suppressor A20 mRNA from Degradation by HuR. Sci. Signal. 6, ra63 (2013).

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