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ホスファチジルコリン転移タンパク質がチオエステラーゼスーパーファミリーメンバー2と相互作用してインスリンシグナル伝達を減弱する

Phosphatidylcholine Transfer Protein Interacts with Thioesterase Superfamily Member 2 to Attenuate Insulin Signaling

Research Article

Sci. Signal., 30 July 2013
Vol. 6, Issue 286, p. ra64
[DOI: 10.1126/scisignal.2004111]

Baran A. Ersoy1, Akansha Tarun1, Katharine D’Aquino2, Nancy J. Hancer2, Chinweike Ukomadu1, Morris F. White2, Thomas Michel1, Brendan D. Manning3, and David E. Cohen1*

1 Department of Medicine, Brigham and Women’s Hospital, Harvard Medical School, Boston, MA 02115, USA.
2 Howard Hughes Medical Institute, Division of Endocrinology, Children’s Hospital Boston, Harvard Medical School, Boston, MA 02115, USA.
3 Department of Genetics and Complex Diseases, Harvard School of Public Health, Boston, MA 02115, USA.

* Corresponding author. E-mail: dcohen@partners.org

要約:ホスファチジルコリン転移タンパク質(PC-TP)は、肝臓内に豊富に含まれ、チオエステラーゼスーパーファミリーメンバー2(THEM2)と相互作用するリン脂質結合タンパク質である。このいずれかのタンパクを欠損しているマウスは、肝臓の糖の恒常性が改善され、食餌誘発性糖尿病に抵抗性を示す。インスリン受容体基質2(IRS2)および哺乳類ラパマイシン標的タンパク質複合体1(mTORC1)は、糖尿病では減弱しているインスリンシグナル伝達の重要なエフェクターである。われわれは、PC-TPのノックダウン、遺伝子破壊、または化学的阻害後にインスリン非依存性のIRS2活性化が生じることを認め、これによりPC-TPがIRS2を阻害することを見いだした。さらに、THEM2のノックダウン後にIRS2が活性化されたことから、インスリンシグナル伝達の抑制にPC-TPとTHEM2の相互作用が働いていることが裏付けられた。加えて、PC-TPは結節性硬化症複合体2(TSC2)に結合し、mTORC1を阻害する働きをするTSC1-TSC2複合体の構成要素を安定化させていた。ホスファチジルコリンとPC-TPの結合が妨げられると、PC-TPとTHEM2/TSC2の相互作用がかく乱され、さらにPC-TP–THEM2複合体のかく乱によりIRS2とmTORC1両方の活性化が亢進した。PC-TPの遺伝子破壊を有するマウスの肝臓、またはPC-TP阻害薬で処理されたマウスの肝臓では、定常状態のIRS2量が増加し、一方でTSC2は減少していた。これらの所見から、その受容体の下流でインスリンシグナル伝達を抑制する、リン脂質依存性のメカニズムが明らかとなった。

B. A. Ersoy, A. Tarun, K. D’Aquino, N. J. Hancer, C. Ukomadu, M. F. White, T. Michel, B. D. Manning, D. E. Cohen, Phosphatidylcholine Transfer Protein Interacts with Thioesterase Superfamily Member 2 to Attenuate Insulin Signaling. Sci. Signal. 6, ra64 (2013).

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