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ジアシルグリセロールキナーゼζはナチュラル制御性T細胞の産生を制限する

Diacylglycerol Kinase ζ Limits the Generation of Natural Regulatory T Cells

Research Article

Sci. Signal., 26 November 2013
Vol. 6, Issue 303, p. ra101
[DOI: 10.1126/scisignal.2004411]

Amanda M. Schmidt1*, Tao Zou1*, Rohan P. Joshi2, Theresa M. Leichner1, Matthew A. Pimentel2, Connie L. Sommers3, and Taku Kambayashi1†

1 Department of Pathology and Laboratory Medicine, Perelman School of Medicine at the University of Pennsylvania, Philadelphia, PA 10194, USA.
2 Abramson Family Cancer Research Institute, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA 19104, USA.
3 Laboratory of Cellular and Molecular Biology, National Cancer Institute, National Institutes of Health, Bethesda, MD 20892, USA.

* These authors contributed equally to this work.

† Corresponding author. E-mail: taku.kambayashi@uphs.upenn.edu

要約

ナチュラル制御性T(nTreg)細胞は自己抗原と外来抗原に対する寛容性を維持するために重要であり、胸腺内でT細胞受容体(TCR)を介する強力なシグナルを受けた胸腺細胞から発生すると考えられている。TCRが関与することにより、ホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸から脂質セカンドメッセンジャーのジアシルグリセロール(DAG)を産生するホスホリパーゼC-γ1が活性化される。われわれは、DAGを代謝してそのシグナル伝達を停止させるDAGキナーゼのζアイソフォーム(DAGζ)が欠損したマウスを用い、TCRを介するシグナル伝達を増強させ、nTreg細胞の発生における重要なシグナル伝達イベントを特定した。DGKζの欠損により、胸腺のCD25+Foxp3-CD4+nTreg細胞前駆体およびFoxp3+CD4+nTreg細胞の数が細胞自律的に増加した。DGKζ-欠損T細胞では核因子κBサブユニットc-Relの核移行が増加し、さらにTCR刺激に対する細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)のリン酸化が亢進していた。このことは、これらの下流経路がnTreg細胞の発生に寄与している可能性を示唆している。たしかに、c-Relの存在量を低下させる、またはERKのリン酸化を遮断することで、DGKζ-欠損胸腺細胞によるTreg細胞の産生増加が抑制された。未熟胸腺細胞におけるERKリン酸化の程度は、in vitroで、TCRを介したFoxp3の獲得と相関していた。さらに、T細胞でERKの活性化が選択的に亢進しているマウスでは、nTreg細胞の発生が増大していた。まとめるとこれらのデータは、DGKζはERKおよびc-Relシグナル伝達経路の活性化の程度を制限することで、nTreg細胞の発生を調節していることを示唆している。

A. M. Schmidt, T. Zou, R. P. Joshi, T. M. Leichner, M. A. Pimentel, C. L. Sommers, T. Kambayashi, Diacylglycerol Kinase ζLimits the Generation of Natural Regulatory T Cells. Sci. Signal. 6, ra101 (2013).

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