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CRTC2のアルギニンメチル化は肝糖代謝の転写調節に重要である

Arginine Methylation of CRTC2 Is Critical in the Transcriptional Control of Hepatic Glucose Metabolism

Research Article

Sci. Signal., 25 February 2014
Vol. 7, Issue 314, p. ra19
[DOI: 10.1126/scisignal.2004479]

Hye-Sook Han1, Chang-Yun Jung2, Young-Sil Yoon1, Seri Choi1, Dahee Choi1,2, Geon Kang1, Keun-Gyu Park3, Seong-Tae Kim2, and Seung-Hoi Koo1*

1 Division of Life Sciences, Korea University, 145 Anam-Ro, Seongbuk-Gu, Seoul 136-713, Korea.
2 Division of Biochemistry and Molecular Biology, Department of Molecular Cell Biology and Samsung Biomedical Institute, Sungkyunkwan University School of Medicine, 300 Chunchun-dong, Jangan-gu, Suwon, Gyeonggi-do 440-746, Korea.
3 Department of Internal Medicine, Kyungpook National University School of Medicine, Daegu 700-721, Korea.

* Corresponding author. E-mail: koohoi@korea.ac.kr

要約

空腹時血糖の恒常性は、一部、転写因子CREB(cAMP応答性エレメント結合タンパク質)とそのコアクチベーターであるCRTC2(CREB調節性転写コアクチベーター2)による、肝糖新生のcAMP(アデノシン3',5'-一リン酸)依存性転写調節を介して維持されている。われわれはPRMT6(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ6)が、CRTC2が関わる糖新生プログラムの絶食誘発性転写活性化を促進することを明らかにした。質量分析からPRMT6はCRTC2と会合していることが示唆された。細胞内では、CRTC2の複数のアルギニン残基の非対称性ジメチル化をPRMT6が媒介し、このことが、糖新生酵素をコードする遺伝子のプロモーター上のCRTC2とCREBの会合を促進していた。マウスにおけるPRMT6の異所性発現は、糖新生因子をコードする遺伝子の発現増加に関連して血中グルコース濃度の上昇を促進したが、一方で肝臓のPRMT6のノックダウンは空腹時糖血症を抑制し、ピルビン酸耐性を改善した。肝臓のPRMT6の存在量は、インスリン抵抗性の肥満マウスモデルにおいて増加しており、アデノウイルスを介したPRMT6の欠乏はこれらのマウスの正常血糖を回復した。われわれは、PRMT6がCRTC2依存性に肝糖代謝の調節に関わっていることを提案する。

H.-S. Han, C.-Y. Jung, Y.-S. Yoon, S. Choi, D. Choi, G. Kang, K.-G. Park, S.-T. Kim, S.-H. Koo, Arginine Methylation of CRTC2 Is Critical in the Transcriptional Control of Hepatic Glucose Metabolism. Sci. Signal. 7, ra19 (2014).

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