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緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)のCheR2メチルトランスフェラーゼの特異性はMcpB化学受容体のC末端ペンタペプチドによって導かれる

Specificity of the CheR2 Methyltransferase in Pseudomonas aeruginosa Is Directed by a C-Terminal Pentapeptide in the McpB Chemoreceptor

Research Article

Sci. Signal., 8 April 2014
Vol. 7, Issue 320, p. ra34
[DOI: 10.1126/scisignal.2004849]

Cristina García-Fontana1,2, Andrés Corral Lugo1, and Tino Krell1*

1 Department of Environmental Protection, Estación Experimental del Zaidín, Consejo Superior de Investigaciones Científicas, C/ Prof. Albareda, 1, 18008 Granada, Spain.
2 Bio-Iliberis R&D, Polígono Industrial Juncaril, 18 210 Granada, Spain.

* Corresponding author. E-mail: tino.krell@eez.csic.es

要約

CheRファミリーのメチルトランスフェラーゼとCheBファミリーのメチルエステラーゼは、化学受容体のメチル化を調節する。この機能的な翻訳後修飾は、細菌の適切な走化性に必要である。単一のCheRまたはCheBを含む腸内細菌を用いた研究から、一部の化学受容体は、メチル化部位での結合に加え、化学受容体の特徴的なペンタペプチド配列での高親和性部位を通してCheRまたはCheBに結合することが示される。われわれは、ヒト病原体緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)PAO1においてCheRタンパク質による化学受容体の認識を調べた。PAO1の4つのメチルトランスフェラーゼのうち、相互作用が検出されたのは、CheR2と、カルボキシル末端にペンタペプチドGWEEFを含むメチル基受容走化性タンパク質B(McpB)化学受容体の間だけであった。さらに、CheR2はMcpBをin vitroでメチル化した唯一のパラログであり、ペンタペプチド配列を除去すると、CheR2-McpB相互作用とMcpBメチル化がいずれも消失した。タンパク質配列にしたがってクラスタリングをおこなうと、細菌性CheRタンパク質は、ペンタペプチド含有化学受容体へ結合するものと結合しないものの、2つの異なるファミリーを形成する。これらの2つのファミリーは、CheRのβサブドメインにおける3つのアミノ酸の挿入によって識別される。CheR2においてこの挿入を欠損させると、McpBとの相互作用およびMcpBメチル化が抑制された。ペンタペプチド含有化学受容体は多くの細菌種によくみられる。したがって、これらの短い特徴的なモチーフは、異なる応答を媒介するシグナル伝達複合体の特異的な会合を可能にしているのかもしれない。

C. García-Fontana, A. Corral Lugo, T. Krell, Specificity of the CheR2 Methyltransferase in Pseudomonas aeruginosa Is Directed by a C-Terminal Pentapeptide in the McpB Chemoreceptor. Sci. Signal. 7, ra34 (2014).

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