• ホーム
  • FAK-Cas-Rac-ラメリポディンのシグナル伝達モジュールは細胞外マトリックス剛性を機械刺激感受性の細胞周期回転に変換する

FAK-Cas-Rac-ラメリポディンのシグナル伝達モジュールは細胞外マトリックス剛性を機械刺激感受性の細胞周期回転に変換する

A FAK-Cas-Rac-Lamellipodin Signaling Module Transduces Extracellular Matrix Stiffness into Mechanosensitive Cell Cycling

Research Article

Sci. Signal., 17 June 2014
Vol. 7, Issue 330, p. ra57
[DOI: 10.1126/scisignal.2004838]

Yong Ho Bae1*, Keeley L. Mui1, Bernadette Y. Hsu1, Shu-Lin Liu1, Alexandra Cretu1, Ziba Razinia1, Tina Xu1, Ellen Puré2, and Richard K. Assoian1*

1 Department of Pharmacology, Perelman School of Medicine, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA 19104, USA.
2 Department of Animal Biology, School of Veterinary Medicine, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA 19104, USA.

* Corresponding author. E-mail: yob@mail.med.upenn.edu (Y.H.B.); assoian@mail.med.upenn.edu (R.K.A.)

組織および細胞外マトリックス(ECM)の剛性は、細胞内部の剛性、シグナル伝達および細胞挙動の変化へと変換される。インテグリンおよびそれに関連する接着斑タンパク質の数種は、ECM剛性の感知に関与していることが知られている。われわれは、初期の感知イベントがどのようにして、細胞内の剛性および生物学的に解釈可能なシグナルに変換されるのかを検討した。われわれは、接着斑キナーゼ(FAK)、アダプタータンパク質p130Cas(Cas)、およびグアノシントリホスファターゼRacから構成される経路が、ECMの剛性を安定した細胞内部の剛性へと選択的に変換し、細胞周期タンパク質であるサイクリンD1の存在量を増加させ、S期開始を促進することを見いだした。Rac依存性の細胞内部の硬化には、その結合パートナーであるラメリポディン(細胞遊走の間にRacシグナルを細胞骨格に伝達するタンパク質)が関わっていた。われわれの所見から、FAK-Cas-Rac-ラメリポディンのシグナル伝達モジュールによる機械的シグナル伝達機構が、ECMの剛性によってコードされる細胞外情報を、安定した細胞内部の剛性および機械刺激感受性の細胞周期に変換していることが立証された。このように、ラメリポディンは細胞遊走の制御のみではなく、機械的シグナルに応じた細胞周期の調節にも重要である。

Y. H. Bae, K. L. Mui, B. Y. Hsu, S.-L. Liu, A. Cretu, Z. Razinia, T. Xu, E. Puré, R. K. Assoian, A FAK-Cas-Rac-Lamellipodin Signaling Module Transduces Extracellular Matrix Stiffness into Mechanosensitive Cell Cycling. Sci. Signal. 7, ra57 (2014).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2014年6月17日号

Editor's Choice

がん
MAPKのメチル化はRASシグナル伝達を増強する

Research Article

FAK-Cas-Rac-ラメリポディンのシグナル伝達モジュールは細胞外マトリックス剛性を機械刺激感受性の細胞周期回転に変換する

キナーゼLMTK3はGRB2を介するインテグリンβ1の誘導によって乳がんの浸潤を促進する

最新のResearch Article記事

2024年2月27日号

ALOX5はCD4+ T細胞のパイロトーシスと関節リウマチにおける組織炎症を駆動する

2024年2月20日号

デザイナー高密度リポタンパク質粒子が内皮バリア機能を強化し炎症を抑制する

T細胞におけるgp130シグナル伝達の活性化がTH17介在性の多臓器自己免疫を引き起こす

2024年2月13日号

GPCRキナーゼはその細胞内局在に応じて偏向性のCXCR3下流シグナル伝達を差次的に調節する

リラキシン-3受容体のGαi/oバイアスステープルペプチドアゴニストによるバイアスアゴニズムの機構