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乳腺におけるスムーズンド刺激性の上皮細胞増殖にGαi2は必須の役割を果たす

An essential role for Gαi2 in Smoothened-stimulated epithelial cell proliferation in the mammary gland

Research Article

Sci. Signal. 15 Sep 2015:
Vol. 8, Issue 394, pp. ra92
DOI: 10.1126/scisignal.aaa7355

Hugo Villanueva,1,2 Adriana P. Visbal,1,2* Nadine F. Obeid,2 Andrew Q. Ta,2 Adeel A. Faruki,2 Meng-Fen Wu,2 Susan G. Hilsenbeck,2,3 Chad A. Shaw,4 Peng Yu,5 Nicholas W. Plummer,6 Lutz Birnbaumer,6† Michael T. Lewis1,2,7‡

1 Department of Molecular and Cellular Biology, Baylor College of Medicine, Houston, TX 77030, USA.
2 Lester and Sue Smith Breast Center, Baylor College of Medicine, Houston, TX 77030, USA.
3 Department of Medicine, Baylor College of Medicine, Houston, TX 77030, USA.
4 Department of Molecular and Human Genetics, Baylor College of Medicine, Houston, TX 77030, USA.
5 Department of Electrical and Computer Engineering, TEES-AgriLife Center for Bioinformatics and Genomic Systems Engineering, Texas A&M University, College Station, TX 77843, USA.
6 Neurobiology Laboratory, National Institute of Environmental Health Sciences, National Institutes of Health, Research Triangle Park, NC 27709, USA.
7 Department of Radiology, Baylor College of Medicine, Houston, TX 77030, USA.

* Present address: Department of Natural Sciences, University of HoustonDowntown, Houston, TX 77002, USA.

† Present address: Instituto de Investigaciones Biotecnológicas-Instituto Tecnológico de Chascomús (IIB-INTECH), Universidad Nacional de San Martín, San Martín CP1650, Argentina.

‡ Corresponding author. E-mail: mtlewis@bcm.edu

要約 ヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達は器官形成、組織の恒常性および幹細胞の維持に重要である。ヒト乳がんおよび他のがんにおいても、Hhシグナル伝達の主要なエフェクターであるスムーズンド(SMO)をコードする遺伝子の異常発現が認められる。乳腺においてHh刺激を必要としない恒常的活性化型のSMOを発現しているマウスでは、トランスジェニック細胞に近い細胞が増殖し、過形成に関与している。SMOは7回膜貫通型受容体様のGタンパク質共役受容体(GPCR)であるものの、SMOを介したGliファミリーの転写因子の活性化がGタンパク質に関与しているかは不明である。とはいえ、ショウジョウバエ(Drosophilaおよび哺乳類細胞株のデータから、SMOは、百日咳毒素(PTX)−感受性Gαiクラスのヘテロ三量体Gタンパク質に結合するGPCRとして機能することが示唆されている。われわれは遺伝子操作したマウスを用い、Gタンパク質を介したSMOのシグナル伝達が、in vivoの乳腺中で生じていることを明らかにした。SMO誘発性の増殖刺激はPTX感受性であり、Gαi2を必要としたが、Gαi1、Gαi3もしくはGli1またはGli2の活性化を必要としなかった。われわれの所見は、活性化されたSMOがin vivoでGPCRとして働き、増殖を刺激することを明らかにした。大半のSMO標的薬は主に、Gliを介した転写の遮断能力に基づいて選択されていることから、この所見は臨床的重要性をもつと考えられる。

Citation: H. Villanueva, A. P. Visbal, N. F. Obeid, A. Q. Ta, A. A. Faruki, M.-F. Wu, S. G. Hilsenbeck, C. A. Shaw, P. Yu, N. W. Plummer, L. Birnbaumer, M. T. Lewis, An essential role for Gαi2 in Smoothened-stimulated epithelial cell proliferation in the mammary gland. Sci. Signal. 8, ra92 (2015).

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