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LPS刺激マクロファージにおけるp35の早期合成およびCDK5の活性化がインターロイキン-10の産生を抑制する

The early synthesis of p35 and activation of CDK5 in LPS-stimulated macrophages suppresses interleukin-10 production

Research Article

Sci. Signal. 24 Nov 2015:
Vol. 8, Issue 404, pp. ra121
DOI: 10.1126/scisignal.aab3156

Yi Rang Na1, Daun Jung1, Gyo Jeong Gu1, Ah Ram Jang1, Yoo-Hun Suh2, and Seung Hyeok Seok1,*

1 Department of Microbiology and Immunology, and Institute of Endemic Disease, Seoul National University College of Medicine, 103 Daehak-ro, Chongno-gu, Seoul 110-799, South Korea.
2 Korea Brain Research Institute, 61 Chumdan-ro, Dong-gu, Daegu 701-300, South Korea.

* Corresponding author. E-mail: lamseok@snu.ac.kr

要約 インターロイキン-10(IL-10)は主にマクロファージによって産生される重要な抗炎症性サイトカインである。本研究では、マクロファージにおけるIL-10産生タイミングの制御機序を検討し、サイクリン依存性キナーゼ5(CDK5)活性が、リポ多糖(LPS)刺激マクロファージ内で、CDK5結合パートナーおよびアクチベーターp35の合成を介して顕著に亢進することを明らかにした。p35の分解により、CDK5-p35複合体によって媒介される抗炎症性シグナル伝達に対する阻害が解除された。一過性活性CDK5-p35複合体はLPS刺激による各種マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)のリン酸化および活性化を制限することにより、マクロファージにおける炎症反応の阻害因子であるSOCS3(suppressor of cytokine signaling 3)およびIL-10の早期産生を妨げた。また、デキストラン硫酸ナトリウムは、マクロファージによるIL-10産生亢進を伴うp35欠損マウスにおいて、大腸炎を誘発しなかった。これらの結果から、CDK5はMAPK依存性IL-10産生を阻害することによって、マクロファージの炎症性機能を亢進させると考えられる。

Citation: Y. R. Na, D. Jung, G. J. Gu, A. R. Jang, Y.-H. Suh, S. H. Seok, The early synthesis of p35 and activation of CDK5 in LPS-stimulated macrophages suppresses interleukin-10 production. Sci. Signal. 8, ra121 (2015).

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