• ホーム
  • トレハロースは溶質輸送体2A(SLC2A)タンパク質の阻害によりオートファジーを誘導し脂肪肝を防ぐ

トレハロースは溶質輸送体2A(SLC2A)タンパク質の阻害によりオートファジーを誘導し脂肪肝を防ぐ

Trehalose inhibits solute carrier 2A (SLC2A) proteins to induce autophagy and prevent hepatic steatosis

Research Article

Sci. Signal. 23 Feb 2016:
Vol. 9, Issue 416, pp. ra21
DOI: 10.1126/scisignal.aac5472

Brian J. DeBosch1,*, Monique R. Heitmeier1, Allyson L. Mayer1, Cassandra B. Higgins1, Jan R. Crowley2, Thomas E. Kraft1, Maggie Chi3, Elizabeth P. Newberry2, Zhouji Chen2, Brian N. Finck2, Nicholas O. Davidson2, Kevin E. Yarasheski2, Paul W. Hruz1, and Kelle H. Moley3

1 Department of Pediatrics, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO 63110, USA.
2 Department of Medicine, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO 63110, USA.
3 Department of Obstetrics and Gynecology, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO 63110, USA.

* Corresponding author. E-mail: debosch_b@kids.wustl.edu

要約 トレハロースは細胞のオートファジーを誘導し、病的タンパク質の凝集に関連する疾患を緩和する能力をもつことで注目を集めている、天然に存在する二糖類である。これは栄養補助食品、保存剤および湿潤剤として数十年にわたり広く使用されているものの、その作用機序は未だ解明されていない。われわれは、トレハロースがグルコース輸送体のSLC2A(別名GLUT)ファミリーのメンバーを阻害することを明らかにした。トレハロースを介したグルコース輸送の阻害は、in vivoにおいてAMPK(アデノシン5'-一リン酸-活性化プロテインキナーゼ)依存性オートファジーおよび脂肪肝の退行を誘導し、さらに初代マウス肝細胞培養における脂質滴の集積の減少を誘導した。われわれのデータは、トレハロースがグルコース輸送を阻害することで、有益な細胞オートファジーを引き起こすことを示した。

Citation: B. J. DeBosch, M. R. Heitmeier, A. L. Mayer, C. B. Higgins, J. R. Crowley, T. E. Kraft, M. Chi, E. P. Newberry, Z. Chen, B. N. Finck, N. O. Davidson, K. E. Yarasheski, P. W. Hruz, K. H. Moley, Trehalose inhibits solute carrier 2A (SLC2A) proteins to induce autophagy and prevent hepatic steatosis. Sci. Signal. 9, ra21 (2016).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2016年2月23日号

Editors' Choice

転写
lncRNAは遺伝子発現も促進する

Research Article

内皮細胞はVEGFによるCa2+シグナル伝達パターンを解読し異なる機能応答を生じる

トレハロースは溶質輸送体2A(SLC2A)タンパク質の阻害によりオートファジーを誘導し脂肪肝を防ぐ

ヘテロ三量体Gタンパク質サブユニットGαi-GTPおよびGβγによる好中球の極性と遊走の動的調節

最新のResearch Article記事

2025年11月11日号

SH2ドメイン含有シグナル伝達タンパク質SHP2およびSRCではイオン化可能なネットワークがpH依存性アロステリーを仲介する

2025年11月11日号

CSF1R-CAR T細胞はCSF1Rシグナル伝達を誘導し、標的細胞の増殖を促進しうる

2025年11月04日号

白血球には乾癬様皮膚炎症時の動員を制御するヘパラン硫酸グリコカリックスがある

2025年11月04日号

コルドイドグリオーマのPRKCA D463H変異はマウスにおいて早発性軟骨肉腫を誘導するキナーゼ不活性型機能獲得型対立遺伝子である

2025年10月28日号

腸由来のソルビトールは腸内細菌の非存在下で脂肪性肝疾患を引き起こす