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ヘテロ三量体Gタンパク質サブユニットGαi-GTPおよびGβγによる好中球の極性と遊走の動的調節

Dynamic regulation of neutrophil polarity and migration by the heterotrimeric G protein subunits Gαi-GTP and Gβγ

Research Article

Sci. Signal. 23 Feb 2016:
Vol. 9, Issue 416, pp. ra22
DOI: 10.1126/scisignal.aad8163

Chinmay R. Surve1, Jesi Y. To2, Sundeep Malik2, Minsoo Kim3, and Alan V. Smrcka1,2,*

1 Department of Biochemistry and Biophysics, University of Rochester, Rochester, NY 14642, USA.
2 Department of Pharmacology and Physiology, University of Rochester, Rochester, NY 14642, USA.
3 Department of Immunology and Microbiology, University of Rochester, Rochester, NY 14642, USA.

* Corresponding author. E-mail: alan_smrcka@URMC.rochester.edu

要約  Giファミリーのヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)は、活性化されるとβγサブユニットを放出し、これらのサブユニットは、走化性Gタンパク質共役受容体(GPCR)に依存した細胞遊走の主要なトランスデューサーである。低分子化合物12155はGβγに直接結合し、Giヘテロ三量体のGαiサブユニットを活性化させることなく、Gβγシグナル伝達を活性化させる。われわれは、12155を用いて、インテグリンリガンドである細胞間接着分子–1(ICAM-1)をコートした表面で、好中球遊走におけるGαi活性化とGβγ活性化の相対的な役割を調べた。12155は、好中球の極性化を阻害し、ICAM-1コート表面への接着を増加させることによって、基礎遊走を抑制することが見出された。マストパランアナログMas7により、内因性GαiおよびGβγをGPCR非依存的に活性化させた場合には、正常な遊走が認められた。さらに、恒常的活性型のGαi1を発現する12155処理細胞は極性化し、遊走した。12155によって、セカンドメッセンジャーサイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)によるシグナル伝達の程度と持続時間が増大した。cAMP依存性プロテインキナーゼ(PKA)の活性を阻害すると、12155処理細胞の極性が回復したが、ICAM-1への接着は減少せず、遊走は回復しなかった。総合すると、これらのデータは、活性化Gαiが、cAMP依存性の機構を介する細胞極性化の促進と、cAMP非依存性の機構を介する接着の阻害に、直接的役割を果たすという証拠となる。

Citation: C. R. Surve, J. Y. To, S. Malik, M. Kim, A. V. Smrcka, Dynamic regulation of neutrophil polarity and migration by the heterotrimeric G protein subunits Gαi-GTP and Gβγ. Sci. Signal. 9, ra22 (2016).

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