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血小板はインテグリンαIIb β3誘導性のアウトサイドインシグナル伝達とクラスタリン放出を介して脳血管におけるアミロイドβ凝集に関与する

Platelets contribute to amyloid-β aggregation in cerebral vessels through integrin αIIb β3–induced outside-in signaling and clusterin release

Research Article

Sci. Signal. 24 May 2016:
Vol. 9, Issue 429, pp. ra52
DOI: 10.1126/scisignal.aaf6240

Lili Donner1, Knut Fälker2, Lothar Gremer3,4, Stefan Klinker3, Giulia Pagani5, Liza U. Ljungberg2, Kimberley Lothmann3, Federica Rizzi6,7,8, Martin Schaller9, Holger Gohlke5, Dieter Willbold3,4, Magnus Grenegard2, and Margitta Elvers1,

1 Department of Clinical and Experimental Hemostasis, Hemotherapy and Transfusion Medicine, Heinrich Heine University, 40225 Düsseldorf, Germany.
2 Cardiovascular Research Centre, Örebro University, SE-701 82 Örebro, Sweden.
3 Institute of Physical Biology, Heinrich Heine University, 40225 Düsseldorf, Germany.
4 Institute of Structural Biochemistry (ICS-6), Research Centre Jülich, 52425 Jülich, Germany.
5 Institute for Pharmaceutical and Medicinal Chemistry, Department of Mathematics and Natural Sciences, Heinrich Heine University, 40225 Düsseldorf, Germany.
6 Department of Biomedical, Biotechnological, and Translation Sciences, University of Parma, Via Volturno 39/a, 43126 Parma, Italy.
7 Centre for Molecular and Translational Oncology (COMT), University of Parma, Parco Area delle Scienze 11/a, 43124 Parma, Italy.
8 National Institute of Biostructure and Biosystems (INBB), Viale Medaglie d’Oro 305, 00136 Rome, Italy.
9 Department of Dermatology, University of Tübingen, 72076 Tübingen, Germany.

* Corresponding author. Email: margitta.elvers@med.uni-duesseldorf.de

要約  脳アミロイド血管症(CAA)は、脳血管壁におけるアミロイドβ(Aβ)の沈着を特徴とする血管機能障害疾患である。CAAと脳実質のAβ沈着は、認知症とアルツハイマー病(AD)に関与する。われわれは、血管のAβ沈着物に集積する血小板の、CAAへの関与を検討した。合成単量体Aβ40は、そのRHDS(Arg-His-Asp-Ser)配列を介して、細胞外マトリックスタンパク質フィブリノーゲンの受容体であるインテグリンαIIb β3に結合し、血小板からのアデノシン二リン酸(ADP)およびシャペロンタンパク質クラスタリンの分泌を刺激することが見出された。クラスタリンは線維性Aβ凝集体の形成を促進し、ADPは受容体P2Y1およびP2Y12を介して血小板に作用して、インテグリンαIIb β3活性化を増強させ、クラスタリンの分泌とAβ40の血小板との結合をさらに増加させた。血小板のαIIb β3がほとんど存在しないか機能障害を起こしている出血性疾患である、グランツマン血小板無力症の患者の血小板において、このインテグリンの存在量が、Aβ誘導性のクラスタリン放出と、血小板誘導性のAβ凝集を決定することが示された。P2Y12を不可逆的に阻害する抗血小板薬クロピドグレルは、血小板培養においてAβ凝集を阻害した。トランスジェニックADモデルマウスにおいては、この薬剤によって、血中のクラスタリン量とCAAの発生率が低下した。われわれの結果からは、活性化された血小板が、Aβ凝集体の形成を促進することによりCAAに直接関与し、続いてAβが血小板を活性化させ、フィードフォワードループを形成することが示されている。したがって、抗血小板療法により、AD患者の脳血管における線維形成が軽減される可能性がある。

Citation: L. Donner, K. Fälker, L. Gremer, S. Klinker, G. Pagani, L. U. Ljungberg, K. Lothmann, F. Rizzi, M. Schaller, H. Gohlke, D. Willbold, M. Grenegard, M. Elvers, Platelets contribute to amyloid-βaggregation in cerebral vessels through integrin αIIb β3–induced outside-in signaling and clusterin release. Sci. Signal. 9, ra52 (2016).

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2016年5月24日号

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