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プロテインキナーゼA依存的リン酸化は低酸素誘導因子1の転写活性を刺激する

Protein kinase A–dependent phosphorylation stimulates the transcriptional activity of hypoxia-inducible factor 1

Research Article

Sci. Signal. 31 May 2016:
Vol. 9, Issue 430, pp. ra56
DOI: 10.1126/scisignal.aaf0583

John W. Bullen1,2, Irina Tchernyshyov3, Ronald J. Holewinski3, Lauren DeVine4, Fan Wu3, Vidya Venkatraman3, David L. Kass3, Robert N. Cole4, Jennifer Van Eyk3, and Gregg L. Semenza1,2,3,4,5,6,7,*

1 Vascular Program, Institute for Cell Engineering, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.
2 McKusick-Nathans Institute of Genetic Medicine, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.
3 Department of Medicine, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.
4 Department of Biological Chemistry, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.
5 Department of Oncology, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.
6 Department of Pediatrics, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.
7 Department of Radiation Oncology, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.

* Corresponding author. Email: gsemenza@jhmi.edu

要約  低酸素誘導因子1(HIF-1)は、細胞が低下したO2可用性に適応可能にするタンパク質をコードする遺伝子の転写を活性化する。HIF-1の標的遺伝子にコードされるタンパク質は、がんおよび心疾患で異常調節される生理学的過程を媒介する中心的な役割を果たす。これらの疾患はまた、環状アデノシン一リン酸(cAMP)、すなわちcAMP依存性プロテインキナーゼA(PKA)のアロステリック活性化因子の産生増加を特徴とする。われわれは、グルタチオンS-トランスフェラーゼプルダウン、共免疫沈降、および質量分析を用いて、PKAがHeLa子宮頸がん細胞およびラット心筋細胞においてHIF-1αと相互作用することを示した。PKAは、in vitroでHIF-1αのThr63およびSer692をリン酸化し、HeLa細胞およびラット心筋細胞においてHIFの転写活性および標的遺伝子発現を増強した。PKAは、Thr63およびSer692のリン酸化を必要とするO2非依存的な様式でHIF-1αのプロテアソーム分解を阻害し、プロリルヒドロキシル化により影響を受けなかった。PKAはまた、HIF-1αへのコアクチベーターp300の結合を刺激してその転写活性を増強し、HIF-1αとP300の結合に及ぼすアスパラギンヒドロキシル化の阻害効果を打ち消した。さらに、増加したcAMP濃度は、腫瘍免疫抑制を増強し、心拍数および収縮性を減少させる分子であるアデノシンへ細胞外アデノシン5'-三リン酸を変換する酵素であるCD39およびCD73をコードするHIF標的遺伝子の発現を増強した。これらのデータは、cAMPシグナル伝達を促進する刺激、遺伝子発現におけるHIF-1α依存的変化、およびアデノシンの増加をリンクさせ、これら全てが、がんおよび心疾患の病態生理に寄与している。

Citation: J. W. Bullen, I. Tchernyshyov, R. J. Holewinski, L. DeVine, F. Wu, V. Venkatraman, D. L. Kass, R. N. Cole, J. Van Eyk, G. L. Semenza, Protein kinase A–dependent phosphorylation stimulates the transcriptional activity of hypoxia-inducible factor 1. Sci. Signal. 9, ra56 (2016).

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