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神経ペプチド受容体GPR171を活性化させ食物摂取を増加させる低分子リガンドの同定

Identification of a small-molecule ligand that activates the neuropeptide receptor GPR171 and increases food intake

Research Article

Sci. Signal.31 May 2016:
Vol. 9, Issue 430, pp. ra55
DOI: 10.1126/scisignal.aac8035

Jonathan H. Wardman1,*,†, Ivone Gomes1,*, Erin N. Bobeck1,*, Jennifer A. Stockert1, Abhijeet Kapoor2, Paola Bisignano2, Achla Gupta1, Mihaly Mezei2, Sanjai Kumar3, Marta Filizola2, and Lakshmi A. Devi1,‡

1 Department of Pharmacology and Systems Therapeutics, Icahn School of Medicine at Mount Sinai, New York, NY 10029, USA.
2 Department of Structural and Chemical Biology, Icahn School of Medicine at Mount Sinai, New York, NY 10029, USA.
3 Department of Chemistry and Biochemistry, Queens College, Flushing, NY 11367, USA.

Corresponding author. Email: lakshmi.devi@mssm.edu

* These authors contributed equally to this work.

Present address: Department of Neurology, Rigshospitalet, 1429 Copenhagen, Denmark.

要約  視床下部の、神経ペプチドYやアグーチ関連タンパク質(AgRP)などのいくつかの神経ペプチド系は、食物摂取を制御する。体重の調節に関与する前駆物質proSAASに由来するペプチドも、食物摂取を制御する。GPR171は、proSAASに由来するペプチドBigLEN(b-LEN)の、ヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)共役受容体(GPCR)である。GPR171の生理的役割を検討する研究を促進するために、われわれは、GPR171のホモロジーモデルとの相互作用について、化合物ライブラリの仮想スクリーニングを行うことにより、この受容体の低分子リガンドの同定に取り組んだ。MS0015203をGPR171のアゴニストとして同定し、この化合物の、ファミリーAのGPCRも含むその他80種類の膜タンパク質との結合を試験することにより、MS0015203のGPR171への選択性を証明した。shRNA(低分子ヘアピン型RNA)を介するノックダウンによりGPR171の発現を低下させると、MS0015203に対する細胞および組織の応答が鈍くなった。MS0015203をマウスに末梢注射すると、食物摂取と体重が増加し、視床下部におけるGPR171の発現が低下したマウスでは、これらの応答が有意に減弱した。以上の結果を総合すると、MS0015203は、GPR171の薬理学的特性と機能特性を探索するための有用な手段であり、GPR171を標的とするリガンドが、最終的に食物関連疾患の治療につながる可能性があることが示唆される。

Citation: J. H. Wardman, I. Gomes, E. N. Bobeck, J. A. Stockert, A. Kapoor, P. Bisignano, A. Gupta, M. Mezei, S. Kumar, M. Filizola, L. A. Devi, Identification of a small-molecule ligand that activates the neuropeptide receptor GPR171 and increases food intake. Sci. Signal. 9, ra55 (2016).

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