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上皮のGqおよびG11シグナル伝達の欠損はTGFβ産生を阻害するがIL-33によるマクロファージの極性化および肺気腫を促進する

Loss of epithelial Gq and G11 signaling inhibits TGFβ production but promotes IL-33–mediated macrophage polarization and emphysema

Research Article

Sci. Signal. 25 Oct 2016:
Vol. 9, Issue 451, pp. ra104
DOI: 10.1126/scisignal.aad5568

Alison E. John1,*, Michael R. Wilson2, Anthony Habgood1, Joanne Porte1, Amanda L. Tatler1, Anastasios Stavrou1, Gino Miele3, Lisa Jolly1, Alan J. Knox1, Masao Takata2, Stefan Offermanns4, and R. Gisli Jenkins1

1 Division of Respiratory Medicine, University of Nottingham, Nottingham, U.K.
2 Department of Anaesthetics, Pain Medicine and Intensive Care, Imperial College, London, U.K.
3 Epistem Ltd., Manchester, U.K.
4 Department of Pharmacology, Max Planck Institute for Heart and Lung Research, Bad Nauheim, Germany.

* Corresponding author. Email: alison.john@nottingham.ac.uk

要約  ヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)シグナル伝達は、何百のGタンパク質共役受容体を4つのGタンパク質シグナル伝達経路にリンクさせる。これらのうちの2つ、GqおよびG11(Gq/11)により媒介されるものともう一方のG12およびG13(G12/13)により媒介されるものは、肺上皮細胞で形質転換成長因子–β(TGFβ)の力依存的活性化に関与する。肺胞細胞におけるTGFβ活性化の低減は、肺気腫を導くのに対し、TGFβ活性化の増強は、急性肺傷害および特発性肺線維症を促進した。従って、肺胞でのTGFβ活性化の正確な制御は、肺胞の恒常性に不可欠である。われわれは、活性TGFβの産生および肺胞炎症の調節における上皮細胞でのGq/11およびGq/11経路の関与を調べた。GαqとGα11の両方が欠損したマウスは、主に、代替的に活性化された(M2極性化)マクロファージ、マトリックスメタロプロテアーゼ12(MMP12)の産生増強、および肺気腫と一致した年齢関連肺胞空域拡大により引き起こされる炎症を発症した。Gq/11シグナル伝達を損なうマウスは、上皮細胞によるTGFβの伸展媒介性産生が低下し、マクロファージのMMP12合成が増強していたが、人工呼吸器誘発肺傷害の影響からは保護されていた。また、サイトカイン、インターロイキン33(IL-33)の合成は、これらの肺胞上皮細胞において増加し、TGFβに及ぼす効果とは独立に肺胞マクロファージのM2型極性化を生じた。われわれの結果は、肺胞のGq/11シグナル伝達は肺胞恒常性を維持し、おそらく独立して上皮の機械的ストレスに応答してTGFβの活性化を増加させ、上皮のIL-33合成を減少させることを示唆する。合わせると、これらの知見は、Gq/11シグナル伝達の崩壊は、炎症性肺気腫を促進するが、機械的に誘発される肺傷害からは保護することを示唆している。

Citation: A. E. John, M. R. Wilson, A. Habgood, J. Porte, A. L. Tatler, A. Stavrou, G. Miele, L. Jolly, A. J. Knox, M. Takata, S. Offermanns, R. G. Jenkins, Loss of epithelial Gq and G11 signaling inhibits TGFβproduction but promotes IL-33–mediated macrophage polarization and emphysema. Sci. Signal. 9, ra104 (2016).

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