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動的なpre-BCRホモ二量体がB前駆細胞性急性リンパ性白血病における自律的な生存シグナルを微調整する

Dynamic pre-BCR homodimers fine-tune autonomous survival signals in B cell precursor acute lymphoblastic leukemia

Research Article

Sci. Signal. 29 Nov 2016:
Vol. 9, Issue 456, pp. ra116
DOI: 10.1126/scisignal.aaf3949

M. Frank Erasmus1,2, Ksenia Matlawska-Wasowska2,3, Ichiko Kinjyo1,2, Avanika Mahajan1,2, Stuart S. Winter2,3, Li Xu4, Michael Horowitz4, Diane S. Lidke1,2, and Bridget S. Wilson1,2,*

1 Department of Pathology, University of New Mexico Health Sciences Center, Albuquerque, NM 87131, USA.
2 UNM Comprehensive Cancer Center, University of New Mexico Health Sciences Center, Albuquerque, NM 87131, USA.
3 Department of Pediatrics, University of New Mexico Health Sciences Center, Albuquerque, NM 87131, USA.
4 Sea Lane Biotechnologies, 2450 Bayshore Parkway, Mountain View, CA 94043, USA.

* Corresponding author. Email: bwilson@salud.unm.edu

要約  プレB細胞受容体(pre-BCR)は、Bリンパ球の初期発生に不可欠な未成熟型BCRであり、膜結合型免疫グロブリン(Ig)重鎖、代替軽鎖、シグナル伝達サブユニットIgα、Igβで構成される。われわれ、生きているB細胞においてリガンドに依存しない自律的なシグナル伝達に関与するpre-BCRの挙動を調べるために、一価の量子ドット(QD)で標識されたIgβ特異的なプローブを開発した。単一粒子の追跡によって、QDで標識されたpre-BCRが一過性だが頻回な同型相互作用に関与することが明らかになった。受容体の挙動は短い離隔距離で相互に関連し、このことは二量体や高次多量体の形成と合致した。拡散するpre-BCR間で繰り返される衝突は、細胞膜ドメインにおける一過性の共拘束を反映しているようだ。われわれは、ヒトB前駆細胞性急性リンパ性白血病(BCP-ALL)細胞において、pre-BCR間の頻回で短寿命な同型相互作用によって、転写抑制因子をコードするBCL6の発現などの生存シグナルが亢進されることを示した。これらの生存シグナルは、pre-BCRの構成要素である代替軽鎖を特異的に阻害する一価の抗原結合性抗体断片(Fab)、またはチロシンキナーゼLyn、Sykの阻害薬によって遮断された。比較のため、糖質および代替短鎖λ5との結合部位を有するガレクチン1二量体によって媒介されるpre-BCRの凝集を評価した。ガレクチン1と結合することによって、ほとんど動きのない巨大なpre-BCR凝集体が形成され、ガレクチン-BCR複合体と他のグリコシル化膜構成要素との架橋結合を防ぐためにラクトースを添加すると、凝集体形成は部分的に緩和された。pre-BCRとそのシグナル伝達パートナーの解析から、pre-BCRとそのシグナル伝達パートナーがBCP-ALLにおける併用療法の標的候補になりうることが示された。

Citation: M. F. Erasmus, K. Matlawska-Wasowska, I. Kinjyo, A. Mahajan, S. S. Winter, L. Xu, M. Horowitz, D. S. Lidke, B. S. Wilson, Dynamic pre-BCR homodimers fine-tune autonomous survival signals in B cell precursor acute lymphoblastic leukemia. Sci. Signal. 9, ra116 (2016).

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