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TGFβ-miR-182-BRCA1軸は乳腺分化の階層を制御する

A TGFβ–miR-182–BRCA1 axis controls the mammary differentiation hierarchy

Research Article

Sci. Signal. 06 Dec 2016:
Vol. 9, Issue 457, pp. ra118
DOI: 10.1126/scisignal.aaf5402

Haydeliz Martinez-Ruiz1, Irineu Illa-Bochaca1, Coral Omene2, Douglas Hanniford3, Qi Liu4, Eva Hernando3, and Mary Helen Barcellos-Hoff1,4,*

1 Department of Radiation Oncology, New York University School of Medicine, 450 East 29th Street, New York, NY 10016, USA.
2 Department of Medicine, New York University School of Medicine, 550 First Avenue, New York, NY 10016, USA.
3 Department of Pathology, New York University School of Medicine, 550 First Avenue, New York, NY 10016, USA.
4 Department of Radiation Oncology, University of California, San Francisco, 2840 Sutter Street, San Francisco, CA 94143, USA.

* Corresponding author. Email: mary.barcellos-hoff@ucsf.edu

要約  増殖および退行周期時の乳腺機能的能力の維持は、分泌管腔細胞および収縮性筋上皮細胞からなる上皮に定植する乳腺前駆細胞の適切な細胞運命決定に依存する。トランスフォーミング増殖因子–β(TGFβ)が乳腺上皮細胞の増殖を制限し、TGFβに対する感受性が乳がんで減少することは十分に確立されている。われわれは、TGFβが、幹細胞の自己再生および系譜決定を制御する乳がん関連1(BRCA1)の厳密な制御により、乳腺前駆細胞の自己再生および分化系譜決定の制御にも働くことを示す。Tgfb1の遺伝的枯渇またはTGFβの一過的遮断は、マウス乳腺前駆細胞、初代培養乳腺上皮細胞の自己再生を増加させ、筋上皮運命への系譜決定を歪めた。TGFβは、マイクロRNA-182(miR-182)の存在量を減少させることによりBRCA1の存在量を安定化させた。培養TGFβ欠損乳房上皮細胞におけるBRCA1の異所的発現またはmiR-182の拮抗作用は、管腔系譜決定を回復させた。これらの知見は、BRCA1のTGFβによる調節が乳腺上皮細胞運命を決定することを明らかにし、幹細胞または前駆細胞が侵襲性乳がんサブタイプの起源の細胞であると考えられていることから、腫瘍形成時のTGFβ調節異常が異なる乳がんサブタイプを促進する可能性を示唆している。

Citation: H. Martinez-Ruiz, I. Illa-Bochaca, C. Omene, D. Hanniford, Q. Liu, E. Hernando, M. H. Barcellos-Hoff, A TGFβ–miR-182–BRCA1 axis controls the mammary differentiation hierarchy. Sci. Signal. 9, ra118 (2016).

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