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ERKシグナル伝達経路は覚醒中に活動によって誘導される遺伝子発現を介して睡眠時間を調節する

ERK signaling pathway regulates sleep duration through activity-induced gene expression during wakefulness

Research Article

Sci. Signal. 24 Jan 2017:
Vol. 10, Issue 463,
DOI: 10.1126/scisignal.aai9219

Cyril Mikhail1, Angélique Vaucher1, Sonia Jimenez1, and Mehdi Tafti1,2,*

1 Center for Integrative Genomics, Faculty of Biology and Medicine, University of Lausanne, CH-1015 Lausanne, Switzerland.
2 Department of Physiology, Faculty of Biology and Medicine, University of Lausanne, CH-1005 Lausanne, Switzerland.

* Corresponding author. Email: mehdi.tafti@unil.ch

要約

覚醒には、経験依存的なシナプス可塑性と活動によって調節される遺伝子の転写促進が伴う。覚醒によって誘導される遺伝子は、ニューロン活性のマーカーとなるのはもちろんのこと、睡眠の持続時間と睡眠の必要性を直接調節している可能性がある。われわれは、脳の覚醒を調節することが知られている複数の神経調節性シグナルでマウス皮質培養を刺激し、活動によって調節される遺伝子の転写がノルエピネフリン単独または前述の神経調節物質の混合物によって誘導されることを見出した。また、遺伝子発現の調節に関与する多様なシグナル伝達経路を薬理学的に阻害したところ、覚醒性の神経調節物質が遺伝子発現に与える影響を調節する主要経路が細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)経路であることが示された。マウスでは、皮質におけるERKのリン酸化は、覚醒と睡眠に伴って増減していた。マウスにおいて、全身で、または皮質神経細胞特異的にErk1またはErk2を欠損させると覚醒時間が有意に増加し、ERKリン酸化を薬理学的に阻害すると睡眠時間が減少し、覚醒発作の持続時間が増加した。このように、ショウジョウバエ(Drosophila)から哺乳類まで高度に保存されているERKシグナル伝達経路は、覚醒時の経験によって誘導されるニューロン遺伝子の発現を睡眠時間および睡眠の質と関連させる重要な経路である。

Citation: C. Mikhail, A. Vaucher, S. Jimenez, M. Tafti, ERK signaling pathway regulates sleep duration through activity-induced gene expression during wakefulness. Sci. Signal. 10, eaai9219 (2017).

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